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創業者インタビュー

  • 2016/11/15 UP

    category:製造業

    スバル工業株式会社 代表取締役 

    野村 秀則 氏

    "「産学官連携」の協力体制は、高精度で人にやさしいものづくりの第一歩に"

事業紹介 創業のきっかけ 事業が成功した理由 失敗から這い上がった… 座右の銘 
将来の夢、志 これから創業に挑戦す… 

事業紹介

 当社は、高精度の切削加工技術を用いて、医療機器の部品を中心に、多品種小ロットの部品製造、加工をしています。最先端の技術や試作開発では、「産学官連携」の協力体制により、付加価値の高いものづくりをしています。

創業のきっかけ

 モーターメーカーに勤めていた私の父が、38年前に加工機メーカーを立ち上げ、部品加工業を始めました。スバル工業という名称は、好きだった昴(プレアデス星団)から命名しました。

 元々得意としていた高精度の切削加工の技術を医療分野に活かしたいという想いから、第二創業という形で医療機器の部品加工事業を立ち上げました。

事業が成功した理由

中小企業の苦手な分野を補う「産学官連携」によるものづくり体制の構築 

 中小企業が新しい技術を試作開発するためには、「経験と勘」に頼ることが少なくありません。しかし、それでは多くの時間がかかってしまうために、試作開発へのスピード感を出すことができませんでした。

 このように中小企業の苦手とする分野を、「産学官連携」という新たな枠組みを活用することによって補うことができました。「学」には群馬工業高等専門学校の黒瀬雅詞教授、「官」には群馬県立群馬産業技術センターの協力体制によって、最新技術の試作開発などを進めました。

 なかでも、試作開発した製品が「どうしてこうなったのか?」という因果関係への対策は、中小企業が試作開発でスピード感を出すために、もっとも苦手な分野のひとつでした。その点を「学」の黒瀬教授が詳細に分析してくださったり、「官」の群馬県立群馬産業技術センターの評価設備を活用した裏付けをすることによって、理論的な裏付けを得ながらスピード感をもって試作開発に取り組むことができました。

量産加工体制を整えるために「ものづくり補助金」を活用して高価な加工機を導入

 医療機器を社内生産しているメーカー様から、高精度部品のご要望をいただき、まずは試作開発から始めました。しかし、限られた資本を高価な加工機に投下することができず、量産加工が難しい状況でした。設備の問題でせっかくのチャンスを逃すかもしれないというときに、「ものづくり補助金」を知りました。

 慣れない申請書づくりには、産官学連携をはじめ、館林商工会議所や群馬県産業支援機構からアドバイスをいただくことによって、平成21年度、平成24年度に「ものづくり補助金」の採択を受けることができました。この補助金を活用することによって、高価な加工機を導入し、量産加工に結びつけることができました。

 

失敗から這い上がった経験談、苦労から学んだ経験談

中小企業が影響を受けやすい景気の変動、グローバル競争等によって経営が困難に

 第二創業をする前は、自動車部品と文房具を主力製品として事業を展開していました。しかし、度重なる景気の変動、悪化に伴い、主力製品の需要はまったく読めない状況でした。父から事業を引き継いだ時は、「とにかく安く作って安く売るものだ」と考えていましたが、次第に経営は苦しくなっていきました。

 経営改善のため、当時の主力製品の製造で得た経験、精密加工の技術を他分野に活かそうと考えました。ちょうど、医療機器メーカーからお話をいただいたときに、当社の技術力を評価していただき、相応の対価をいただくことができました。

 このことが「独自の高い技術力さえ持つことができれば、十分に勝負することができるのだ」という自信につながり、その後の安定した事業の大きな転機になりました。このお客様とのご縁に、今でも深く感謝しています。

 

ものづくりに必要不可欠な「お客様に価値を提供し続ける」難しさに直面…

 ものづくりにおいて、お客様が求める価値は多種多様です。品質、コスト、納期などを柔軟に感じ取り、それに応えることによって信頼を得て、次の受注につなげることができます。とはいえ、お客様のご要望の中には、「果たして実現できるのだろうか…」というものも少なからずあります。とくに中小企業に求められる要求には厳しいものが多いことも事実です。

 ただ「数字だけを追う」事業展開をしていては、次の受注につなげられないことも少なくありません。技術者としてお客様の要望に応えようとすることと、経営者として利益を追求することのバランスには今でも苦慮し、ケースバイケースの難しい対応になることが少なくありません。

 しかし、高精度の切削加工技術に対して、付加価値を認めてくれた上で、相応の対価をくださるお客様との出会いこそ、まさに中小企業の生命線となることに気付くことができました。お客様に満足していただける価値を提供し続けるためには、これまで求められてきた価値に付加できる高い技術力が大切です。経営が苦しいときであっても、愚直に磨き続けた当社独自の技術により、付加価値を認めていただけるお客様と巡り合うことができたことが、事業への確かな自信になったと思います。

 

座右の銘

「継続は力なり」

 ものづくりで重要なことは、実験と検証の細かいプロセスをこつこつと積み重ねて、一つひとつ精度を高めていくことです。突然、飛躍的に精度が高まったり、目指す製品が一足飛びにできあがったりするような「はなれ技」はあり得ません。

 だからこそ、実験と検証を繰り返すことが、独自の技術力を高め、お客様に付加価値を提供できる事業を継続する力になっていくのだと思います。

将来の夢、志

人とのつながり「産学官連携」を継続し、「人にやさしい」部品加工で社会貢献を

 現在、医療機器メーカーに納品している精密部品は、直接人体に触れるものです。高い精度を保つことによって、治療を受ける患者さんの負担が減り、医師も施術しやすくなります。

 技術力を高め続けることは、「人にやさしい」部品加工ができることにつながります。医療機器をはじめ、身近な製品に当社の部品が採用されることによって、社会全体を幸せにできる社会貢献を目指します。

 そのために不可欠になる試作開発では、付加価値を認めてくれるお客様はもちろん、「産学官連携」や他のメーカーとのつながりも、熱意をもって継続していきたいです。

 

「ものづくり事業の夢」、自社製品を部品から製造し、組み立て、商品化したい

 将来的に挑戦してみたいことは、自社製品を作ることです。精度の高い部品を製造し、それを自社で組み立て、商品化してみたいという夢を持っています。

 今の段階では、その基礎となる技術力、効率的に部品を製造する方法を磨くことに注力していますが、その技術力と経験を活かして、いつか自社製品を作ってみたいと思っています。

 

 

これから創業に挑戦する人へ一言

競合他社に負けない「独自の強み」を磨くことが、自信につながる

 これだけは他社には負けないという「独自の強み」を磨き、持つことが大切です。事業を進めていくと、ピンチに陥ることもあるでしょう。その時に、「独自の強み」を持っていることによって、自信をもって勝負することができます。

 

合理化を図り、スピード感のある事業展開のためには「他機関との連携」を

 ものづくりは、価値づくりです。そのためには合理化を図り、スピード感のある事業展開をしていく必要があります。

 ものづくりをする中小企業では、自社だけではスピード感を出すことが難しいものです。スピード感を出せずに事業が止まってしまうくらいなら、積極的に他機関との連携を探り、積極的に前に進みましょう。

 他機関との連携は、製品や技術の開発スピードを上げるだけでなく、自社の視点だけでは気付きにくい事業の合理化や効率化にも有益です。

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