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創業者インタビュー

  • 2016/08/31 UP

    category:製造業

    プロムナード渡辺製菓

    渡辺 和昭 氏

    "地元の花豆を使って開発した、独自の「花まめパン」はまるで「第二の創業」"

事業紹介 創業のきっかけ 事業が成功した理由 失敗から這い上がった… 座右の銘 
将来の夢、志 これから創業に挑戦す… 

事業紹介

 渡辺製菓は、地元ならではの食材を使うことにこだわりを持ち、商品を開発製造しています。

 特に、地元でしか取れない花豆を使った「花まめパン」は、全国のお客様から好評をいただいています。

創業のきっかけ

 元々、スキー場に勤務していた私は、多くのスキー客がお土産をたくさん手にして帰る姿を見ていました。その様子に、人の出入りが多い村の中で、私も自分で商売を始めたいと思うようになりました。

 温泉まんじゅうを製造している親類を頼りに、尾瀬の観光やスキー客をターゲットとした商品の開発に取り組みました。思い切ってスキー場を辞め、「尾瀬想い出まんじゅう」の製造と販売を開始しました。

事業が成功した理由

変わる市場に、メイン商品をパンに切り替えて、独自の「花まめパン」を開発

 「尾瀬想い出まんじゅう」から始まったお店でしたが、リゾートブームが終わるに伴って、メイン商品の転換を迫られました。私は、地元の素材を活かしたいという強い思いがありました。

 お客様からいただいたアイデアをもとに、妻が中心となって開発したのが、今私のお店でもっとも売れている「花まめパン」です。花豆は、このあたりや六合村、草津町、軽井沢周辺などで生産されています。大きい業者も買い漁る花豆ですから、少ない豆の取り合いが起こります。しかし、中国産などではなく、あくまでも地元産にこだわっています。地域の生産者と協力することで、量を確保しています。気候によっては品質にバラつきの多い花豆なので、質の高い豆選びには今でも苦労しています。

 全国的にも珍しい花豆を使った「花まめパン」は、地元を中心に少しずつ評判が広まっていきました。今では、全国からお問合せをいただき、ご注文をいただくようになりました。

 

「待ち」から「攻め」へ、新たなメイン商品に合わせて、村外に販路を

 まんじゅうからパンにメイン商品を切り替えた後、最低限の機材だけをもって戸倉から地域の人が集まりやすい現在の店舗に引っ越しました。今まではリゾート客を「待つ」商売でしたが、これからは地域のお客様に商品を知っていただくために「攻める」必要がありました。

 振り返ると、幸いにも、私も妻も健康だったことが、成功した理由かと思います。手先が器用で、製品作りに向いていた妻に店舗を任せて、私は村外にも販路を求めて、とにかく自分の足を使いました。

 週に2回、片品村から利根村(現、沼田市利根町)まで、パンの行商を始めました。また、沼田市にも週に1回、行商に行きました。それがきっかけで名前が売れ、評判につながっていきました。

 当時は、「販路開拓」という考えは思い浮かびませんでした。販路やお客様の流れを考えずがむしゃらに、無計画に行商に回りました。振り返ると反省する点もありますが、そもそも商品を知っていただくための行動がなければ、気付くことさえできなかったと思います。その経験を元に、少しずつ販路開拓に対するノウハウも貯めることができました。

失敗から這い上がった経験談、苦労から学んだ経験談

リゾートの衰退でまんじゅうが売れない…、メインの商品を再度作り直す

 「尾瀬想い出まんじゅう」は、創業当初からリゾートブームに乗って、まさに飛ぶように売れました。しかし、昭和60年頃からリゾートブームに陰りが見え始め、人の出入りが少しずつ減ってきました。翌年には、飛ぶように売れていたまんじゅうが全く売れなくなり、廃業も覚悟せざるを得ない状況に追い込まれました。

 しかし、私はすぐに諦めることはしませんでした。すかさず、パン屋をやっている知り合いに、パンの作り方を教えてほしいと懇願しました。

 はじめは、前向きな回答を得られず、とにかく断られました。それでも必死に食い下がったところ、「1日だけなら」と、パンの作り方を教えていただくことができました。パン作りに必要な道具や材料を、遠い戸倉まで持ってきていただいて、私はパン作りを学ぶことができました。

 1日だけの修行を終え、私は翌日にはさっそく店頭にパンを並べました。教えていただいた方も、どうせ1日の修行ではモノにならないだろうと思っていたそうですが、すぐ店頭にパンを並べた話をしたら、さすがにあきれ顔をされましたね(笑)。

 パン作りに必要な機材は手元に少なく、パンの発酵にはまんじゅう用の蒸し器を代用したこともありました。それでも、食パンやロールパンから開発をはじめ、菓子パンも作れるようになりました。

 まんじゅう1本で展開していた事業は、市場の急激な変化に対応できませんでした。しかし、あえてそれに見切りをつけ、素早く次にメインとなる商品を作り直せたことが、やがて「花まめパン」の開発につながっていきました。

座右の銘

「すぐやっちゃう」

 じっくり考えるよりも即行動、これが私の信念です。これにより、新たにメインとなる商品を開発したり、販路を広げて新しいお客様と出会ったりすることができました。

 生活がかかっていることもありましたが、事業を継続していくうえで立ちはだかる壁に対して、どんなことをしてでもやり遂げる、やると決めたらやり切らないとダメだと思います。

 また、「すぐやっちゃう」ことによって、弱った時に助け船を出してくれる人がいました。私の見えないところで、私のやりたいことを話してくれる人がいました。それが、協力してくれる人へとつながっていきました。技術や道具も提供していただきました。「すぐやっちゃう」ことがつないだご縁に、とても感謝しています。

 しかし、私がなんでも「すぐやっちゃう」ため、実際にはフォローしてくれた妻に無茶な苦労を掛けてしまいましたね(笑)。

将来の夢、志

地産地消を看板に、片品村だからできる地元を活かした「特別なパン」で勝負

 地元の魅力ある素材を使った商品開発を続けて、これからも魅力ある商品をお客様に提供したいです。

 幸いにも、現在は地元が生産した花豆を使った「花まめパン」と「花まめロールケーキ」をはじめに、私たちでしか作ることができない商品を開発することができました。

 今後も、長男を中心に「地産地消」を掲げて、地元の魅力ある素材を使った第二、第三の「花まめパン」をお客様に届け、地域で愛されるパン屋として商売を続けていきたいです。

これから創業に挑戦する人へ一言

時代に取り残されないために、オリジナリティのある身近にない仕事を

 事業を続けていくうえで、いろいろと困難にぶつかることがあります。その時に力になるのが、「身近にない仕事」を持っているかどうかです。

 他の誰かが始めた商売をみて「これ、いいね!」と後に続くようでは、既に時代に取り残され、新しく始める事業の成功率は低いのではないでしょうか。

 オリジナリティのある事業は、今後起こり得る急激な市場の変遷に対応できます。新たな市場に合わせて事業をアライメントする必要はありますが、事業の核がオリジナリティを持っていることで、取引先やお客様から足元を見られるようなことはありません。

 ぜひ、オリジナリティがあって身近にない仕事を追求していってほしいです。

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