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創業者インタビュー

  • 2016/09/30 UP

    category:製造業

    キンセイ産業 代表取締役社長

    金子 正元 氏

    "ものづくりの「よろず屋」から「燃焼炉のプロ」へ、グローバル展開する「大きな家族」"

    http://www.kinsei-s.co.jp/

事業紹介 創業のきっかけ 事業が成功した理由 失敗から這い上がった… 
座右の銘 将来の夢、志 これから創業に挑戦す… 

事業紹介

 株式会社キンセイ産業では、ダイオキシン類の発生を抑制し、発電もできる焼却装置を開発、製造しています。

 この技術は日本をはじめ、アメリカ、EU、中国、シンガポール、インドネシアなど多くの国々で特許を取得し、世界から高く評価していただいています。

創業のきっかけ

 勤めていた電気器具メーカーが、レジャー産業への業種転換を検討する中で、当時28歳だった私は、ものづくりの「よろず屋」から事業を始めました。「ものづくり」にこだわったがゆえの選択でした。

事業が成功した理由

「器用貧乏に終わるな」の言葉を胸に「よろず屋」から焼却炉プラントの世界へ

 創業当初、ものづくりへのやる気やこだわりはあるものの、私は進むべき方向が見えず、納期なし、原価スレスレの「よろず屋」のまま、将来に不安を抱えていました。

 そのような中、あるお客様に言われたのです。「若いのに頑張っているね。でもどこかで1つに絞らないと、器用貧乏に終わってしまうよ」と。この言葉がなかったら、私は焼却炉プラントの世界にのめり込むことはなかったでしょう。

 電気を専門とする私にとって、「焼却」は未知の世界でした。それでも、オイルショックを背景とした業種転換の費用を国の事業として獲得し、「燃やすこと」について、とにかく必死で勉強を重ねました。

 焼却炉の爆発も経験しました。追い込まれ、自分を追い込む中で、徐々に腹が決まっていったのです。

 

知的財産こそ経営戦略に!アメリカを皮切りに、特許を元にグローバル展開へ

 ものづくりの中小企業にとって、知的財産はそのまま経営戦略につながります。このような考え方がまだ一般的ではない中、私の考え方に共感してくれる弁理士に出会えたことは1つの転機でした。

 燃焼炉の技術について特許申請を考える私に、先生はおっしゃったのです。 「日本で難しいなら、アメリカで特許を取りましょう!」。先生の申し出に、学生時代に芽生えた私のグローバル精神に火が付きました。

 アメリカで特許を取得すると、やがて日本でも特許を取得できました。このことにより、最近では、中国や韓国、インドなど、アジアを中心に私どもの燃焼炉技術を広げる事業を展開できるようになっています。

 また、燃焼炉だけでなく、その周りのシステムについても、あわせて特許の取得を進めています。特許は1つとって終わりではなく、お客様に喜ばれ、より安全に私どもの焼却炉を活用できるよう、周辺のシステムについても継続した特許の申請が必要です。当社の知的戦略は「お客様に対して万全のサポート体制を整える」という経営戦略と密接につながっています。

 

 

中小企業だからこそ「家庭的」でありたい!社員からの「誕生日カレンダー」に感謝

 当社の一番の強みは、「家庭的」であることだと私は考えています。会社はひとつの大きな家庭であり、私にとって社員一人ひとりは家族です。

 会社で開催する家族会には、それぞれの社員が家族と一緒に参加します。私たちの仕事は、家族の支援と協力があってはじめて成り立っています。社員の家族は私にとっても「家族」であり、家族会は、私たちの事業を支える最強の応援団である「家族」の皆さんに感謝を伝える場なのです。

 また、当社の社員は、正月生まれの私に毎年「誕生日カレンダー」を贈ってくれます。その月に誕生日を迎える社員たちの写真はどの月も笑顔にあふれ、社員は自分の誕生日欄に、直筆で決意やメッセージを書いてくれます。社員の気持ちが込められたカレンダーは、彼らの成長を感じ取ることもできる「私だけの宝物」です。

 

「ものづくりは人づくり」、庭木の剪定と同じように社員にも愛情と感謝を

 私ども製造業は、ものづくりと同時にサービス業でもあります。ものづくりは、ひとりではできず、良いパートナーが必要です。仕事を通して、私もお客様に育てていただいていると感じています。

 実は、本社の庭木は、以前、私自身が(剪定していましたが)、最近は、私が指導した社員が剪定しています。自由に伸びすぎていたら方向性を整え、元気がなかったら肥料と愛情を注いで。「ものづくりはひとづくり」、庭木1本1本の個性と環境を見極めるように、“当社自慢の我が子”も大切に育てる気持ちを忘れないようにしています。

失敗から這い上がった経験談、苦労から学んだ経験談

廃熱から発電を!世界が評価するエコ焼却炉は、常に最新技術に挑戦中

第一次オイルショックを契機に取り組んだ焼却炉に手ごたえを感じる中、世間では「エネルギー問題」が浮上します。その課題に対し、私は焼却炉の廃熱をエネルギーとして活用することを考え始めました。

また、「環境問題」が社会的な課題として顕在化すると、燃焼炉から発生するダイオキシン問題の解決が、お客様からも社会全体からも求められるようになりました。

様々な困難や課題を、燃焼炉の最新技術の開発というチャンスに変えられたのは、ものづくり屋として「何か役立つものを作りたい」という志を持ち続けたからだと思っています。お客様からのご要望もまた、私どもの技術を鍛え続けてくれました。

変わりゆく世の中で、変化に対応できない会社は落ちていきます。当社は、一生懸命やってきたから、変わり続け、求められるものを作れたのだと自負しています。

 

「創業したらピンチが来るのは当然」ケタ外れの覚悟と努力を!

 創業から今まで、失敗談や苦労話は挙げたらキリがありません。

 創業したら、ピンチが来るのは当然なのです。ピンチが先にあり、チャンスが来る。ケタ外れの覚悟と努力をしないと、ピンチに巻き込まれてしまいます。

 仕事も、人生も、勝負です。勝つ時もあれば、負ける時もあります。それでも、成功は想い(目標や志)があってこそ勝ち取れるのです。強い想いを胸に、「できる」と思い、マイナスのことを口走らない。言い訳をしない。ものの見方、考え方で目の前の状況は必ず変わります。

 そんな信念を持って、私はどんなピンチも乗り越え、走り続けてきました。

座右の銘

「忘れるな、海を越えていけ!」

 これは私が学生時代に、恩師からいただいた言葉です。「きみたちに期待して、国がお金を出していることを忘れるな。海を越え、世界に羽ばたく人となれ!」、この言葉は私の「グローバル精神」や「学び続ける姿勢」につながっています。

 私は、将来の群馬県を担う「ひとづくり」の想いから、高校での講演を続けています。今の高校生たちこそが、人口減少時代に日本を支える人材となるという「腹構え」をいち早く伝えたいからです。

 今、「楽しい職場で働きたい」という若者が増えていますが、はじめから仕事がうまくいくはずはありません。ワークライフバランスの考え方は大切ですが、理想と現実が乖離していると、仕事を続けることが難しくなります。まずは、「仕事をする」ことと向き合うこと、その決意を私自身も忘れることなく大切にしています。

将来の夢、志

継続的な地域貢献のために、自立した「中小企業の使命」を果たしたい

 私どもが高崎市をはじめ、群馬県に貢献するためには、「中小企業の使命」を継続していくことが求められます。中小企業の使命、それは「雇用」です。雇用対策と経済対策は一体化している、私はそのように考えています。

 「子は親の鏡」という言葉があるように、「部下は上司の鏡」でもあります。私も「大きな家族の父」として、これからも感謝と真心を大切に、自立して活力のある中小企業として、継続的に地域社会に貢献していきたいです。

これから創業に挑戦する人へ一言

最初の「創業精神」を忘れず、信念を持って走り続けよう!

 どんな会社でも、創業は「個人」からスタートします。その想いを決して忘れないようにしてください。多くの社員や顧客に恵まれても、創業精神を見失わず、人のために動いて欲しいものです。

 創業者として成長するということは、「難しくなる」ということです。学ぶべきことや、やるべきことには終わりがありません。

 思うようにいかなくても、簡単にやめないでください。叩かれて、這い上がるのです。やっているうちに、やるべきことが見えてきます。「運が悪かった」などと言い訳せず、常に勝つ方法を考えてください。

 とにかく、動き続ける。走り続ける中で、どう動けばいいか、きっと見えてくると思います。

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