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創業者インタビュー

  • 2015/12/08 UP

    category:製造業

    株式会社 シンクトゥギャザー(桐生市)  代表取締役

    宗村 正弘 氏

    "電気自動車の可能性を、100%以上で発信したい"

    http://www.ttcom.jp/

事業紹介 創業のきっかけ 事業が成功した理由 失敗から這い上がった… 座右の銘 
将来の夢、志 これから創業に挑戦す… 

事業紹介

 

 株式会社シンクトゥギャザーは、お客様と一緒に考えましょうというコンセプトの会社で、「スローモビリティ」という低速かつ環境にやさしい電気自動車を中心に、製品を開発しております。

創業のきっかけ

 私は、35年間ずっと自動車の開発に携わってきましたが、定年を間近に控え、子どもたちも巣立ったことから早期退職しました。開発するプロセスは共通しているはずですから、自動車に限らず開発する仕事で何かニーズがあるのではないかと考え、当初は開発請負業、開発コンサルタントとして事業を起こしました。

 元々、電気自動車をやるというのは、まったく頭にありませんでした。自動車会社を辞めた時点では、もう私は自動車の開発の仕事に携わることはないだろうと思っていたくらいです。とはいえ、その後のご縁もあり、現在は電気自動車を開発しています。

事業が成功した理由

世界でも稀有な電気自動車をつくる

 世の中にはない電気自動車をつくっているところではないでしょうか。

 世の中の常識として考えられている自動車は、日々の生活の中で使いましょうというのが前提にあります。どのメーカーが考えても、そういう用途で使おうという自動車しか考えません。

 それに対して電気自動車は、日常生活で使う道具としては向いていないと考えています。それは、バッテリーに蓄えられるエネルギーが非常に少ないからです。ガソリン車と比較するとエネルギー効率がまだまだ悪く、日常的に使うにはガソリン車の方が効率も良く、負けてしまいます。

 

将来的なスローモビリティを見据えて

 しかしながら、電気自動車のよいところ、電気自動車でなければできないという分野があります。自然環境を大切にする観光地、テーマパークなどですね。限られたエリアの中で、人がいっぱい集まりスピードを出す必要がないところでは、ゆっくりのんびりと走る電気自動車のよさが生きます。

 また、高齢者は行動や判断力が鈍くなるので、速いものにはついていけません。当然ながら、高齢者の運転する車は遅いわけですが、そういう人を排除するのではなく、ゆっくりのんびり走る車にすることで社会に受け入れられるのではないでしょうか。このようなスローモビリティが、電気自動車に向いていると、将来性を感じています。

 

失敗から這い上がった経験談、苦労から学んだ経験談

電気自動車の可能性を探って

 やはりリーマンショックのときは、お仕事がいただけなくて、とても苦しい思いをしました。その中でも、やれることをひとつひとつ探しながら、どうにかやってきた結果が、その後の電気自動車の話につながったと思います。

 長年勤めていた会社の元同僚で、群馬大学の先生をされている方に依頼をいただいたのがきっかけでした。次世代の電気自動車の在り方を考える「次世代EV研究会」が立ち上がり入会しました。そこで、電気自動車の知識であったり、部品であったりを共有しながら、電気自動車を形にすることができました。しかし、その間は企業としてほぼ無収入の時期が続きました。蓄えを切り崩しながら、電気自動車にのめり込まざるを得なくなっていました。

 

前例のない開発には柔軟に対応

 電気自動車の開発にあたっては、進めている作業がいいのか悪いのか、やってみなくては分からない部分が非常に多かったです。前例がないというのは、誰もやらないということで、何か理由があるわけです。あるいは、発想が及ばないこともあるでしょう。したがって、頭を柔らかくして、冷静に物事を分析して、そこから再構築をするというような思考パターンが必要になります。やらずにいろいろ悩んでも仕方がありませんので、これで作ってダメだったら、また変更すればいいという気楽な気持ちで作っていました。

 

遅いという不安も自然に許容され

 桐生市内を走る10人乗り電気バスですが、低速モビリティというコンセプトもあり、最高速度を時速20キロメートル未満にしました。低速で走ることにより、景色を楽しんでいただいたり、走行時の風を感じていただいたりして、とてもいい評判をいただいています。街の中を遅く走ったら邪魔になるのではと心配していましたが、走らせてみたら「街の象徴」のように感じていただいて、意外と許容していただけたと感じています。周りの方は「あの車は遅いんだ」と認識することによって、遅さは気にならなくなるということが、実際に走らせてみて分かったことです。

 

座右の銘

「お客様に対して100%以上の答えを出す」

 やはり私どもにはお客様がいて、そのお客様に満足していただくことが一番大切だと考えます。企業として実績なり、継続性なりをつかみ取っていく上では、お客様が満足しない限り、二度と仕事を任せていただけません。

 私が考えているのは、いつも120%の答えを出したい、常にプラスアルファをつけることです。お客様が期待しているものよりも、「さらにいいでしょ!」ということを加えることをモットーにしています。

将来の夢、志

35年の下積み、高校生からの夢の実現

 高校生の時に私は、「自分で車をデザインして、設計して、世に出したい」という夢を抱きました。その夢を実現するために、自動車会社に入社し、設計ができるように希望を出し、自動車の開発に35年間携わってきました。大きな会社では、仕事は分業制であり、ひとりで一台の車を設計したりすることはできませんでした。

 早期退職して一度はその夢を諦めつつも、燃費のレースなどに趣味で作った車で出場したり、静かに自分を磨いてきたことが、今につながっているのかなと思います。もう車の開発はしないと思っていたにもかかわらず、結果として自分で車をデザイン、設計して世に出したことは、私自身も不思議に感じています。

 

電気自動車の可能性を世界中へ

 これからは、私が開発したスローモビリティ、電気自動車をシンクトゥギャザーブランドとして世の中に普及させたいです。ゆっくりと景色を楽しみたい観光、素早い動きがあまり得意ではない高齢者の方々、有毒な排気ガスを一切出さない環境保全など、非日常的な場面での活用方法は無限に広がり、スローな電気自動車は非常に有望であると考えています。これを日本中、世界中に普及するのが一番の夢です。

これから創業に挑戦する人へ一言

他にはない強み、オンリーワンを

 創業には、不安が付きまといますが、同時に夢もお持ちでしょう。いろいろと心境が複雑なところもあると思いますが、やはり世の中に認めてもらえるのは、「オンリーワン」であるということです。自分の会社の商品やサービスが、他にはない強みを持たないことには、なかなか通用しないと思います。ぜひ、どこにも負けないオンリーワンということを心がけて、頑張っていただきたいと思います。

 

よき理解者、協力者を大切にする人間性

 もうひとつ大事なものは、人とのつながり、ネットワークです。やはり理解、協力してくれる人たちが会社を経営していく上では不可欠です。普段の言動なり、お付き合いなり、心掛け一つだと思います。私は来るものを拒まず、去るものを追わずという方針でやっています。離れていく人は離れていきます。これは仕方のないことですが、前向きに人と接し続けているとすると自ずと仲間や協力者が残り、増えていくと思います。自分だけが威張ったとしても、誰も協力してくれませんから、助けてくれる人を周りに増やしていくこと、そのための人間性が重要です。

 

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