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創業者インタビュー

  • 2015/10/15 UP

    category:電気・ガス・熱供給・水道業

    eneco株式会社(高崎市)   代表取締役

    石井 洋志 氏

    "エネルギーを形に、地域での循環を目指して"

事業紹介 創業のきっかけ 事業が成功した理由 失敗から這い上がった… 座右の銘 
将来の夢、志 これから創業に挑戦す… 

事業紹介

 eneco株式会社は、発電事業、小水力発電を中心に、バイオマス発電等地域の安定したエネルギー開発の事業を進めています。

創業のきっかけ

 大学でメタン発酵などの研究を行った後、プラント業者で4年弱、水処理の開発に携わりました。2009年に実家の設備業の会社に戻り、事業を継ぎました。業界として下降線をたどる中で、「自分じゃないとできない仕事」をいろいろと模索していたところ、小水力発電について群馬県の調査事業をする機会を得ました。

 

 小水力発電は、有用性が高いことには議論の余地がありませんが、コストに見合った効果が上がってくるまでに時間がかかることから、自治体ではなかなか手が出しにくい事業のひとつです。自治体がやらないなら誰もやらないというのではなく、自分たちがやろうと思い立ちました。

事業が成功した理由

養豚事業者の排水処理トラブルから

 eneco株式会社の事業のひとつに、畜産排水処理のコンサルティングがあります。

 

 その中で国内最大規模の養豚事業者が県内にあり、その排水処理を手伝っています。群馬に戻る前に、プラント業者の開発者として勤めた経験やノウハウを元に、排水処理をスタートしました。実際にやってみると、最初はトラブルが多くて大変でしたが、ひとつひとつ改善しながら課題をクリアしました。最終的には、トラブルがあった農場だけでなく、他のところにも問題がありそうだったので、こちらも解決していくことでお客さまから信頼を得ていきました。

 

独自のビジネスモデルで強い信頼を

 また、大規模な設備投資の話があり、大手企業と私との間で受注コンペのようなものがありました。私の考えるビジネスモデルでは、汚水処理に使用する薬品も、消費する電力もかなり減らせることが分かっていましたのでそのあたりを大手企業のプレゼンに対して指摘したところ、相手は何も反論できなくなりました。一連のやり取りを見ていたその養豚事業者さんが、「石井さん、すごいですね!」といって、そこで一気に大きな信頼を勝ち取ることができました。

 

低コスト、環境に配慮で「うれしい」の声

 今まで、それぞれ単独で事業を進めてきて他業種とのご縁が少ない農家や畜産業の方が、私たちのビジネスモデルに参加していただくことで、コストも下げられるし、環境にも優しく事業を進められます。私たちも技術を構築するまでに3~4年の間ずっと試行錯誤してきましたから、「うれしい」という声をいただけると、やってきてよかったと思います。

 

失敗から這い上がった経験談、苦労から学んだ経験談

一人だけでの活動に限界を感じて…

 現在、これらの事業について、実質的に私一人ですべてを行っています。営業活動を行い、数々のビジネスプランコンテストにも参加し、その上で実務的なところまでやっています。しかし、やはり私一人だと、活動に限界を感じます。小水力発電事業に興味を持ち、お声掛けくださる事業者さんもいますが、今はいちごの生産も手掛けていますし、そこまで手が回っていない状況のため、お待ちいただいているところです。

 

 

産学連携で人材育成も視野に

 人材の確保、育成というところにも今後の課題を感じます。特に、大学の研究では、現在私が取り組んでいる事業のような研究を直接的にやっているところはほぼないので、今後は大学との連携も考えていきたいです。産学連携により、技術的なイノベーションも起こり得ますし、同時に人材育成の面でも非常に効果的ではと考えます。

 

本気の経営者との出会いから

 2009年に群馬に戻った私は、すぐに会社を継ぐ状況ではなかったものの、会社の経営についてはさっぱり分からない状態でした。すぐに私は中小企業家同友会に入り、本気で自分の会社をよくしたいと考えている経営者とたくさん話をしました。そこでいい出会いがあり、経営について多くのことを学びました。

 

つながるために、とにかく外に!

 私の仕事は、人と人とのつながりが核になるため、つながる可能性のある方と出会うことに大変苦労しました。そのために私は、積極的に外部に情報を発信し続け、私の事業に興味を持っていただけるようにしました。あわせて、群馬県内外のビジネスプランコンテストに参加し、できるだけ私の事業を外部に知ってもらえるように努めました。これにより、ご縁のなかった方とも数多く出会えることができました。

 さらに、昨年は群馬イノベーションスクールにも参加しました。スクールの1期生として、群馬で熱量を持っている刺激的な方たちとつながり、一緒にいろいろな取組を通して学んだことも大きかったです。

座右の銘

「やらずに後悔するよりも、やってから反省しよう」

 

 新しいことを始めるにあたって、いろいろと不安なこともあります。これをやった方がいいのかどうか悩んでいたりとか、やったらうまくいくかもしれないけど失敗するかもと不安になったりすることがあります。それによって、自信を失うこともあるかもしれません。

 しかし、まずはやってみて、失敗することも多々ありますが、その中で何か得られるものを得ていこうというようなスタンスで取り組んでいます。死ぬ間際になって、「あの時に挑戦しておけばよかったな」というような後悔をしたくないと思っています。

 

 失敗すると、目的に対して遠回りしているような気持ちになるかもしれませんが、私はそうは思いません。そのときは遠回りしていても、どこかでその経験がつながります。心に大きな目的を忘れずに置いておくことで、失敗したことがつながる瞬間に気付くことができるのです。それは、人との出会いも同じです。直接的に関係ないジャンルの方であっても、「この人と何か一緒にできないかな」という気持ちを忘れずに接することで、つながることができるのです。

将来の夢、志

知恵や技術もエネルギーとして形に

 「change the energy」、これはeneco株式会社の理念です。私たちの身近にある、使われていないエネルギーというものを、形のあるものにしていきたい、私は理念にこの思いを込めました。しかし、形になっているエネルギーだけにとどまらず、日本にはかつて高度経済成長を支えてきた私たちの先人の知恵や技術があります。残念ながら、中にはうまく継承されず、消えゆく知恵や技術があることを忘れてはなりません。そういった知恵や技術、ノウハウも、ひとつのエネルギーです。

 

胸の中の熱いエネルギーを次世代へ

 東日本大震災以降、私自身もそうですが、皆さんの中にも胸の中にある「何かしたいけど、どうしたらいいか分からない」という思いがあるはずです。胸の中で眠らせている思い、これもひとつのエネルギーとしてとらえて、形にしていけたらと思います。それを私たちの次の世代、さらに次の世代へと残していければと思っています。

 

地産地消エネルギーの循環を目指して

 また、再生可能エネルギー事業は、地域の経済や人の循環を第一に進めていきたいです。

 大都市や海外から資本が流れ込んでも、地域には微々たる賃料が落ちるだけで、お金は大都市や海外に流出してしまいます。そうではなく、地域の中で経済や人を回していくことをもっと考えて、地域の人たちで地域のことを考えた事業を作り出せるようになればと思います。食などもそうですが、エネルギーも地産地消にしていけるように仕組みを作っていけたらと思います。

これから創業に挑戦する人へ一言

 とにかく熱い人にたくさん出会うこと、これは私が群馬に帰って来てから特に思うことです。熱い人に出会うと、自分の中にエネルギーを取り込めますし、自分では気付かず、考えても出てこない答えに出会えます。積極的に外に出て、いろいろな熱い人に接して、視野を広げて、新たな考えを獲得していけたらと思います。

 もちろん、私もさらに外に出て、たくさんの刺激を受けながら、前進していきたいと思います。

 

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