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創業者インタビュー

  • 2015/07/08 UP

    category:卸売業、小売業

    有限会社 浅間高原麦酒(嬬恋村)

    代表取締役  黒岩 修 氏

    "群馬県産原料100%ビールへの挑戦!"

    http://www.tsumabru.com/

事業紹介 創業のきっかけ 事業が成功した理由 失敗から這い上がった… 座右の銘  
将来の夢、志  これから創業に挑戦す… 

事業紹介

 

 浅間高原麦酒は、平成8年に起業しました。これまで、レストラン中心で営業を続けてきました。群馬県産原料にこだわり始めたこともあり、数年前より自社栽培原料として大麦の栽培も開始しました。これにより、100%自家栽培、群馬県産原料によるビールづくりを目指して取り組んでいます。

創業のきっかけ

酒税法の規制緩和が好機となり決意

 私は23才まで前橋の建設会社に勤め、その後嬬恋に戻り、父の建設会社で30才まで勤めました。建設会社で働いていた時からずっと、ビールづくりには興味を持っていました。当時は酒税法による新規参入のハードルが高く、とても創業に踏み切ることができませんでした。

 しかし、酒税法の規制緩和があり、最低醸造量がビールでは年間600kgが60kg、発泡酒では年間60kgから6kgへと、大幅に下がりました。これは好機だと思い、念願のビールづくりで創業しました。

 

父の夢「大きな丸太づくりのレストラン」で

 私の父は、大きな丸太がむき出しのお店をオープンさせることが夢でした。私が創業したときに、父が丸太むき出しのレストランを建てました。私の創業は、同時に父の夢をかなえる創業にもなっています。

 

事業が成功した理由

レストランから外販で醸造量増加へ

 創業当初は、丸太むき出しのレストラン営業を中心に事業をしていました。景気やリゾート人気の低迷とともに、バブル期に嬬恋地域を別荘や観光地として訪れていたお客様が減少し、レストランの売上や販売するビールの生産量も落ちていきました。

 ビールの生産量をどうにか伸ばしたい、売上をどうにか伸ばしたいと考えていたところ、中古の缶詰め機を手に入れることができました。これにより、ビールの缶詰めが可能となり、保管状況が改善されました。缶詰めを生産のメインに切り替え、外販を強化することで、缶詰めを始める前に年間8kgだった醸造量が12kgに増え、時代に合った販売方法として手応えを掴んでいます。

 

「ものづくり支援」でスピードアップ!

 あるとき、たまたま商工会の人がレストランにいらして、私どものビールを飲んでいた時に、「ものづくり支援があるよ」というお話をいただきました。それまでは、支援があることそのものを知らなかったものですから、とても驚いたと同時に、もっと早く知っておけばと思いました。その後は、ものづくり支援や吾妻のラベルデザインでお力をいただき、支援を受けられたことで事業のスピード感が増しました。

 

機械化で品質向上、安全なビールを目指す

 外販を強化することで、ビールが少しずつ売れるようになりましたので、今まで手動で作業していた部分を、さらに機械化を進めることにしました。作業効率が格段に向上するのはもちろんですが、人の手がなるべく商品に触れずに補えるので、品質や安全を改善した商品を作ることができます。支援団体からの支援もあり、設備投資に力を入れ始めました。

 

失敗から這い上がった経験談、苦労から学んだ経験談 

知らずに損した創業支援…

 運転資金については、創業当初は苦労の連続でした。支援があるとか、補助金があるとか、私はまったく知らずに創業し、しばらく事業を進めていましたので、その意味ではもったいないことをしました。適切なタイミングで適切な支援を受け、スピード感をもって事業を展開できるチャンスがありながら、「知らなかった」ことが大きな損失につながると振り返って思います。

 

原料へのこだわり、大麦づくりの難しさ

 現在、群馬県産原料100%ビールの開発に取り組んでいますが、原料となる大麦は、当初すごく簡単につくれると考えていました。実際につくってみると、麦を収穫するときに、収穫のタイミングがとても難しいことに気が付きました。タイミングが遅れると発芽してしまいますし、逆に早ければ成育不足となります。収穫のタイミングは難しいし、とても気を使いました。

 自社生産の大麦だけではなく、群馬県内の農家さんが生産したものを使っています。伊勢崎の農家さんや、高崎の農家さんには自然培養の大麦の生産を委託しています。これらの大麦は寒冷地用の大麦を使用し、越冬させて夏に収穫しています。群馬県内各地の農家さんから大麦を提供していただける体制になったことは、群馬県産原料100%ビールにこだわる上で、とても大きな力になっています。

 

「原料鮮度主義」で芳醇な香りを追求

 私は「原料鮮度主義」をかかげて、群馬県産原料100%ビールの開発に取り組んでいます。従来の麦汁では、海外から船便で取り寄せるため、2~3週間の時間がかかってしまいます。その間に麦汁の熟成は進みますが、一方で鮮度は一気に落ちてしまいます。

 これに対して、群馬県内で生産された原料を用いると、新鮮な状態で醸造に取り掛かることができます。高い鮮度は、ビールに抜群の香りをつけます。以前は、麦をフライパンで煎っていました。一度にフライパンに入る麦は1kg、それを60回に分けて煎っていましたので、腕がパンパンになり、腱鞘炎になりかけました。この方法では、はじめに煎った麦と、おわりに煎った麦との間で、時間経過に伴う香りなど品質のバラつきが発生します。これを機械を導入することで、作業時間の短縮だけでなく、品質のバラつきも同時に抑えることができました。このような投資については、今後も機会を見つけて行いたいと思っています。

 

座右の銘 

「諦めない」

 とにかく、諦めたくなかったんです。レストランに来店されるお客様が減ってきて、会社も苦しかったけど、それ以上に諦めたくなかったのは、私どもがつくるビールに対するお客様の熱い支持があったからこそだと、今でもずっと思っています。ビールを楽しみにしてくれるお客様のためにも、会社を続けるために協力してくれる方々にも、私は迷惑をかけたくない、その気持ちを常に持っていました。

 その気持ちが、本当に苦しい時も私の支えになり、ようやく群馬県産原料100%ビールをつくるスタートラインに立つことができたと思っています。

将来の夢、志 

全国に群馬県産原料100%ビールを

 何よりも、群馬県産原料100%ビールをつくって、多くの方々に飲んでいただくことです。私は、この群馬県産原料100%ビールを通して、全国の方にもっと群馬を注目していただけたらと思っています。群馬に注目することでこのビールを知っていただくこともあると思いますが、このビールから群馬に注目することもあるかと思います。そういった意味では、これが群馬県の名物となり、さらに多くの方々に群馬県に足を運んでいただけたらうれしいです。

 このビールは、私も含めて皆さんが自信をもって紹介できる商品になっていくと思います。ビールができあがったら、創業するときに大きな丸太でレストランを建ててくれた父親をはじめ、苦しい時に本当によく支えてくれた家族と一緒に、一番に飲みたいですね(笑)。

これから創業に挑戦する人へ一言 

 毎日、ただ何気なく過ごしていても、やりたいことがあって全力でやっていても、時間はどんどん過ぎていきます。自分で本当にやりたいことがあるのであれば、やはり挑戦してほしいと思います。

 また、これから創業に挑戦する人には、創業する前にどのような支援団体にどのような創業支援があるのか、活用するためには何が必要なのか、ぜひ調べて知っておいてほしいです。私はそれを知らずに創業し、適切なタイミングで設備投資などができず、その分事業の展開が遅れました。あらかじめ支援を知っているのと知らないのとでは、その後の事業展開で天と地ほどの差があります。できるだけ早い段階で、支援団体とつながりを持つことで、支援はもちろん、事業に必要な情報が入りやすくなります。

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