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創業者インタビュー

  • 2015/06/24 UP

    category:サービス業(他に分類されないもの)

    絹遊塾工房風花(桐生市)  

    板野 ちえ 氏

    "絹産業を体験できる観光の拠点へ"

    http://www.kiryu-renga.jp/kazahana/

事業紹介 創業のきっかけ 事業が成功した理由 失敗から這い上がった… 座右の銘 
将来の夢、志  これから創業に挑戦す… 

事業紹介

 

 絹遊塾工房風花は、絹で遊んでほしいという願いから「絹遊塾」という名前にしました。桐生の伝統的なのこぎり屋根の古い工場で、絹で繭から糸を引くことや、繭を真綿にして、それを糸で紡いで織ること、あるいは糸を草木で染めること、お客様にすべてのことを絹で遊んでいただけたらと思っています。

創業のきっかけ

 元々、織物を教えたい、絹で遊んでほしいという思いをずっと持っていました。以前、別の場所を借りて織物教室を開いていました。借りていた場所との契約が終わったタイミングで、かねてからのこぎり屋根の古い工場で創業したいと思っていたのですが、なかなか希望する工場を借りることができませんでした。

 度重なる困難を乗り越えて、さらにご縁があって、ようやくのこぎり屋根の古い工場で念願の織物教室を創業することができました。

事業が成功した理由

のこぎり屋根の古い工場で絹あそび

 のこぎり屋根の古い工場で、楽しく糸を織ったり染めたりしながら、お客様が糸と遊ぶことができているので、その部分では成功だと思っています。

 それ以上に、紆余曲折を経てベーカリーカフェレンガさんの隣、同じ敷地内で創業することができたことが、一番のよかったことです。ベーカリーカフェレンガさんは、パン屋さんとしてとても有名なので、パンをお買い求めのお客様が私の工房をのぞいては、ふらっと立ち寄ってくださいます。

 

オンリーワンのストール織り体験

 「1日でオリジナルのストールが織れる!」この織機の説明を聞いたお客様は、「そんなに早くストールを織りあげることができるのか」と魅力に感じていらっしゃいます。経糸も緯糸も多くの種類の中から自分が好きな糸を選べるので、できあがるストールは「世界にひとつのオンリーワン」となります。これを作れるということに、お客様はさらに魅力を感じてくださっています。

 

家族や友人にもプレゼントを

 このストールは、1日で織り上がるということもあり、少しずつですがリピーターのお客様も増えてきました。桐生地域だけでなく、今では県内各地、さらには群馬近県からいらっしゃるお客様もいます。はじめは自分が好きなストールを織ってみたい、それを家族や友人に披露することで、お客様の楽しみ方が広がります。自分のものだけでなく、今度は家族や友人にプレゼントしてみようかといって、経糸や緯糸を工夫しながら、ストールをたくさん織っていってくださる姿に嬉しさを感じています。

失敗から這い上がった経験談、苦労から学んだ経験談

場所の都合で一度は廃業を経験…

 私にとって大変苦労したことは、以前織物を教えていた場所から現在の場所に移るまでの経緯です。私は、現在とは違う場所で織物を教えていました。その場所は5年契約としてお借りしていましたが、2年経った時点で別の用途で使用されることになり、契約が切れてしまいました。のこぎり屋根の工場で創業したいという思いがあり、すぐに場所を探しましたが貸していただけるところがなく、その年の年末にやむを得ず一度廃業しました。それでも、織物を教えたいという気持ちは褪せることなく、自宅で織物教室を行ったり、織物を教えてほしい人のところに行って教えたりすることも考えました。

 

のこぎり屋根工場で創業すると願い続けて

 翌年の2月に、ある織物屋さんから、のこぎり屋根の工場を貸して下さるお話をいただきました。再び創業したく、創業補助金の申請を行いました。ところが、本申請に入る一週間ほど前に、借りられる予定の工場が重伝建(重要伝統建築物)に指定されることとなり、織物教室として借りることができなくなってしまいました。せっかくもう一度創業できるところまでこぎつけたのに、ここで創業そのものが暗礁に乗り上げることになり、私は体調を崩しかけるほど落ち込みました。先が見えない状況でも、私は必ず創業できると願い続けました。

 

「うちでよかったら…」とありがたいお声で

 まずは、創業補助金の申請を取り下げるかどうかを悩みました。申請を取り下げることは、大変なことだと思っていましたので、最善の方法がないかどうか必死に探りました。ところが、重伝建の指定は、国の判断だということで、創業補助金も場所が変わってもいいということになりました。そのようなときに、ベーカリーカフェレンガの社長さんが「うちでよかったら助けてやるよ」と申し出てくださいました。重伝建の指定を受けた工場からもそれほど離れておらず、現在の場所に移動して申請し直しました。無事に申請が通りましたので、無事に創業できて現在に至っていますが、再び創業を決意してから場所が借りられなくなった時には、「本当にもうこれで終わりなんだな…」と覚悟しました。多くの方とのご縁と協力があって、最大のピンチを乗り越えることができたのはラッキーだったと思います。

座右の銘

「願わないことは叶わない」

 

 どんなに小さなことであっても、必ず叶うと信じて、私はとにかく何でも願います。しかも、ただ願うだけでなく、何があってもとことん願い続けます。それがどんなに実現が難しい夢であっても、願わないことには始まりません。だからこそ、いろいろと困難があり、実現することが無理だと思っていても、「必ず叶う」と信じて願い続けます。

 

将来の夢、志 

絹産業を体験できる観光の拠点へ

 ベーカリーカフェレンガさんがあり、私の工房があるこののこぎり屋根の古い工場が、桐生の観光の拠点になっています。ベーカリーカフェレンガさんは、パン屋としてとても有名で、毎日多くのお客様がいらっしゃいます。この中に私の工房があって、1300年もの伝統を誇る織都桐生で織物の体験ができます。織物の体験を通して糸と遊んでいただける場所として、桐生の観光の一翼が担えるような工房になっていけたらと思っています。

 

時間のないお客様にこそ体験のチャンスを

 最近では、群馬県の絹産業遺産に対する注目の高まりから、遠路からバスツアーなどでいらっしゃるお客様も増えてきました。しかし、バスツアーとなると時間が限られてしまいますから、見学するだけならともかく、ストールを織る体験をしていただくことが難しくなります。これが織物体験できない理由となっては、せっかくのチャンスがふいになりかねません。時間が限られているお客様にこそ、なにか糸で遊んでいただき、実際に織物の体験をしていただきたいということで、「座繰り体験」を始めました。座繰る糸と糸の間に自分の好きな押し花や紅葉、ぐんまちゃんのイラストなどを挟んで、30分程度で趣のあるライトを作る体験ができます。短い時間でもできる座繰り体験から、糸と遊ぶ楽しさを実感していただき、もう一度私の工房に足を運びたいと思っていただけるようにしていきたいです。

これから創業に挑戦する人へ一言

 どんなに簡単だと思っていたことでも、不意につまずくこともあります。創業にあたっては、山があったり、谷があったり、どこかにぶつかったり、曲がったりしなくてはならないことが必ずあります。私自身の創業体験がまさにそうであるように、何度となく「もうダメだ…」と打ちのめされることもあるかもしれません。

 しかし、自分の夢を諦めなければ、ゴールに向かって必ず道は拓けます。とにかく「願わないことは叶わない」ので、叶うと信じて願い続け、諦めないでゴールを目指していただきたいです。

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