創業者講演会(創業者創出ミーティング)

  • 2019/02/08 UP
  • category:医療、福祉
"トップダウンからエンパワーメントな組織へ"

2018年11月29日(木) 安中総合学園高等学校 にて


有限会社COCO-LO 代表取締役社長

雅樂川 陽子

http://coco-lo.net/

事業紹介 創業後の苦労 エンパワーメントな組… 組織作りの効果 自分らしく生きる 
  • ――――
  • 事業紹介

 訪問看護やデイサービスなどを、9つの事業所で行っています。同じデイサービスでも、利用者さんが状況や好みで選べるように規模やサービスなど内容を変えて展開しています。

 個人としては、平成27年度に内閣府の「女性のチャレンジ賞」を受賞したほか、COCO-LOとしてもたくさんの賞をいただいています。首相官邸で首相と記念写真を撮ったこともあります。現在、従業員は100名程度で、うち9名が育児休業中です。育児や介護などの特別有給休暇はもちろん、有給休暇を使い旅行やライブに行き、プライベートを充実させている社員が多くいます。介護の現場ではとても珍しいと思います。

ページトップへ
  • ――――
  • 創業後の苦労

 10畳の部屋で創業した当時は、従業員は4人でした。そこから少しずつ事業を拡大していきましたが、たくさんの失敗を繰り返してきました。創業して5年間は人材不足が続きました。離職率が高く、10人入っても5人辞めてしまうような状況になったこともあります。常に求人をして採用面接をしていました。辞められるのはとてもショックで、疎外感を抱き、悲しくなりました。社長なので誰にも相談できず、孤独で、自分にどんどん自信がなくなっていく時期でした。また、利用者さんからクレームが入り、月1回は謝罪に行くこともありました。スタッフは失敗すると責任をなすり付け合ったり、コミュニケーション不足が原因で雰囲気が悪くなったりすることもあり、スタッフ同士の喧嘩が報告されてくることもありました。そのほかにも、仕事内容の分配ミスから、忙しい人と暇な人ができてしまう、会議では意見が出ないなど、30人規模になってから急にうまくいかないことが増えていきました。

ページトップへ
  • ――――
  • エンパワーメントな組織への転換

 今まではトップダウンの組織形態をとり、私が細かく指示を出していました。しかし、トップダウンの組織に限界を感じました。このままでは会社が倒産する、皆の力を借りなければと思ったのです。

 そこで、1つのチームとして決定・行動する体制に変えていきました。社長の私は、組織作りや経営情報を共有しました。「私の答えが会社の答え」という体制から、「皆の意見を大事にしよう」という方向に切り替えていきました。その結果、イライラしたり悲しんだりする感情は無くなり、次に何をやろう、もっといい会社にしよう、もっと働きやすくしようという気持ちになりました。そして、様々な取組を始めました。エンパワーメントな組織に切り替わるまでに、3年かかりました。

ページトップへ
  • ――――
  • 組織作りの効果

 まず、ヒヤリハット事例を、負担無く積み上げていける仕組みを作りました。日頃の業務の中でのミスで、ひやり!はっ!とした出来事の原因を明確にして、行動目標を立てて行きます。ミスは悪いことではありません。ミスをしたのはその人のせいではなく、仕組みが悪い、だから仕組みを見直しましょうという考え方に変えていきました。これによりミスは自然に減っていき、小さなミスを報告できる仕組みづくりに成功しました。

 また、組織の改善事項を書く「気づきカード」を導入しました。スタッフ一人一人の意見を反映したり、利用者さんの声を聞いて、気づいたことを行動に移したりしてくれています。これにより、改善のスピードが早くなりました。色々な気づきが出てくるので、楽しいです。

 他にもありますが、この2つの取組は、自ら進んで行動する良いきっかけとなりました。何かあったときには、その現場にいない私が判断するのではなく、そこにいるスタッフが迅速に判断し行動します。そのため、緊急相談の電話が鳴ることはほとんどありません。

 今では現場のスタッフが利用者さんの声を反映し、イベントを提案するなど、利用者さんが生き生き生活できる楽しい環境づくりを、チームで一丸となって行動してくれます。

ページトップへ
  • ――――
  • 自分らしく生きる

 一人一人の得意なことや才能を、最大限活かしていく取組を行っています。1人として同じ人はいません。それぞれが持つ才能を活かして、活躍できる環境を作りたいと思っています。私は経営者として仕組みを考えることは得意ですが、こつこつ事務仕事をすることは苦手です。社長の私が苦手で、スタッフが得意なことは当然あります。長所も短所も活かし方次第で大切な役割になります。

 事務から広報担当への異動など、キャリアのシフトも行います。また、ライフステージに合わせて、仕事内容を変えたり、管理者をやめて介護員になったり、キャリアチェンジが当たり前に行われています。

 私が独立した時は、女性や若者の創業を支援してくれる制度が充実していませんでした。試行錯誤で、わからないことだらけでした。わからないことを誰に聞けば良いのかも、わからない状態でした。失敗はたくさんしましたし、孤独感を味わいました。そのため、スタッフがやりたいことがあるならば、社内の新規事業として始めたり、創業したりと支援しています。

 様々な働き方があり、選択肢は皆さんにあります。皆さんが自分のことをよく知り、自分の得意なことを形にする方法を考えていけば、道は必ず見つけられるでしょう。 

ページトップへ