創業者インタビュー

  • 2017/07/28 UP
  • category:サービス業(他に分類されないもの)
"学ぶ姿勢を大切に、挑戦を続けることで末永く地域に貢献できる会社を目指して"

株式会社 ろけっと開発 代表取締役

宇田川 利明

http://rocket-dev.jp/

創業のきっかけ 事業が成功した理由 失敗から這い上がった… 座右の銘 将来の夢、志 
これから創業に挑戦す… 
  • ――――
  • 創業のきっかけ

 子育てを機に地元の沼田市にあるソフトウェア会社に入りましたが、1年もしないうちにその会社が解散することになりました。その時担当していたお客様から、システムの開発や保守を頼みたいとの要望があり、個人事業主として1年ほど事業を継続した後、平成17年に法人化しました。

ページトップへ
  • ――――
  • 事業が成功した理由

小さい案件こそ大切にする姿勢で、小回りの良さを活かして「何でも挑戦!」

 創業のきっかけとなった案件が一段落した後、会社を存続させるために何でも挑戦しました。IT業界では、開発するシステムやアプリによって、多種多様なスキルが求められます。もちろん、お客様からの要望も幅広く、ホームページやエクセルのマクロの作成、Wi-Fi環境の整備、パソコン教室の講師などにも挑戦しました。中には経験の少ないスキルを求められることもありましたが、とにかく自力で調べて研究し、見よう見まねで必死に対応してきました。

 特に心がけていたのは「即答力」です。お客様からIT技術の活用について質問をいただいたときに、すぐに回答し、提案することを意識しました。そうした小回りの良さや対応力がお客様の信頼につながり、少しずつ新規のお客様をご紹介いただけるようになりました。

 また、得意不得意に関係なく、お客様の要望に何でも応えようとしたことで、お客様に喜んでいただけるサービスを提供しながら、社内では新たなIT技術を獲得することができたので、結果的にwin-winになりました。

 

「お客様の目的」を見極め、ITのプロとしての目線でビジネスモデルを提案

 新しいシステムなどを開発するときには、必ず「このお客様が一番したいことは何だろうか?」ということを意識しながらお客様の要望を伺っています。お客様は新たなシステムをお求めなのではなく、売上を増やしたり事業を拡大したりすることを求めているはずです。すると、お客様が相談してきたシステムだけではなく、事業全体を俯瞰的に見ることが重要になります。

 その上でお客様の本来の目的を効率的に実現するために、新たなシステムを入れるべきかどうか、入れるとしたらどの規模で入れるのかを具体的に提案します。

 お客様はその業種のプロですが、ITのプロというわけではありません。たとえば、お客様がこれまでの実務経験などをもとに、現場にノートパソコンを持ち込むことで業務の効率化をイメージされたとします。それをITのプロとしての目線で見直すことで、実はスマートフォンアプリの最新技術を活用することで、更なる効率化を図ることもできる、ということもあるのです。

ページトップへ
  • ――――
  • 失敗から這い上がった経験談、苦労から学んだ経験談

資金繰りが苦しい時こそ、補助金を申請して事業の活性化を図る

 会社を経営していると、どうしても資金繰りが大変な時期があります。最近でこそクラウドファンディングなどで資金を調達する方法が注目されるようになりましたが、会社を立ち上げた頃の私はそれを知りませんでした。

 そこで積極的に活用したのが「補助金」です。当社の事業展開にも言えますが、お客様によっては、ITを活用した事業展開を考えていても先立つ資金が十分にないことで踏ん切りがつかないこともありました。しかし、実は知らないだけで、調べてみると様々な補助金の制度があります。

 少ない元手でも事業展開にスピード感を出していくために、お客様との連携を密にしながら、積極的に補助金を活用するようにしました。これによって、当社のIT技術をお客様に活用していただき、事業展開の一助になれたのではと考えています。

 

経営者としては「赤ちゃん」だったが、他業種の経営者の方々との交流で学ぶ

 創業時、私は経営に関する知識がほとんどなく、「赤ちゃん」のようでした。不足していた経営者としての知識は、中小企業家同友会や青年会議所などで出会った先輩経営者から吸収させていただきました。

 元々、誘われると断れない性格もあるのですが、同友会に顔を出すようにしていたことがきっかけで、他業種の経営者の方と知り合うことができました。経営面で相談できる相手に恵まれたことは、新米経営者にとって大きな助けになりました。そのつながりから、新規のお客様を紹介していただくこともありました。

 青年会議所は40歳までの所属となるのですが、私は37歳で前橋青年会議所に入りました。入会から1年後には、日本青年会議所に出向することになり、先輩のカバン持ちをするような形で日本全国を飛び回りました。今でもその人脈を温めながら、先輩から教わる姿勢を大切にしています。

 

震災復興支援に注力することで学んだ問題解決能力と組織のつくり方

 ちょうど関東地区の青年会議所で議長になったタイミングで、東日本大震災が起こりました。関東地区では、千葉県と茨城県が被災したため、人材や設備などを送って復興支援を行いました。また、福島県などで被災した方が、別の土地に避難した後で職に就けるように、パソコンスキルを教える取り組みもしました。

 震災復興に注力していたため、私ができる社内の仕事はこれまでの半分以下になっていました。しかし、お客様からご依頼をいただくと断れない性格ということもあり、仕事は増えていきました。当時は従業員が4名いましたが、協力して乗り切ることができました。

 これは、本業とは異なる形で強い目的意識を持ったり、困難に対する問題解決能力を醸成したりする契機になりました。この経験は、社内に持ち帰ることで個人事業主から会社を興した私に不足していた「組織のつくり方」の大きな力になったのです。さらに、私の手から離れた仕事を社内全体で解決した経験によって、会社としても問題解決能力が高まり、地力がついてきたと感じました。

ページトップへ
  • ――――
  • 座右の銘

明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ。

 インドの民族運動指導者、マハトマ・ガンジーの言葉です。この言葉のように、たとえ明日死んでも悔いがないように、とにかく1日を大切にしています。また、毎日起きるあらゆることの中に、多くの学びがあります。

 一見、矛盾しているかのようなこの言葉ですが、私はこのように在りたいと思っています。

ページトップへ
  • ――――
  • 将来の夢、志

地域に貢献し続けることで、若い社員たちが幸せになれる会社にしたい

 若い社員たちが家庭を持ち、幸せになれる会社にしていきたいというのが私の夢です。そのためには、「儲けること」ばかりに関心が向かないようにすることが重要です。積極的に地域に貢献して、「ろけっと開発がないと困る」と地域から当社の事業を評価していただけるように、社員とこの理念を共有しながら目指していきたいです。

 現在はIT技術によって、それを目指していますが、地域に貢献できるのであれば必ずしもITにこだわり続ける必要はないと考えています。たとえば社名にもある通り、ロケットを開発することが地域への貢献になるのであれば、事業を転換してもいいと思います。ひとつの事業にしがみつづけるのではなく、むしろ時代のニーズを機敏に感じ取り、当社ができることを積極的に挑戦していきたいです。

 その貢献が積み重なることで、結果的に会社として利益が出て、若い社員たちが幸せになれるはずです。

ページトップへ
  • ――――
  • これから創業に挑戦する人へ一言

夢を実現するために、恥をかけるか、素直になれるか、自分をさらけ出せるか

 会社を興すこと、それはあくまで自分がやりたいことを実現するための手段の一つに過ぎません。創業は、「何のために?」ということがハッキリと見えていることが前提です。それが見えていないのであれば、まだ創業する段階ではないと言えます。

 創業してからは、「自分がやりたい!」という強い思いに対して、どれだけ恥をかけるか、素直になれるか、自分をさらけ出せるかが大切です。そのような経験をコツコツと重ねることが、やりたいことの実現に近づく方法です。

ページトップへ