創業者インタビュー

  • 2017/03/07 UP
  • category:卸売業、小売業
"女性が触りたくなる自社ブランド製品で、伝統のおおたニットに新しい風を"

株式会社マウンテンディアー 代表取締役社長

山鹿 雅明

http://mountain-deer.com/index.html

事業概要 創業のきっかけ 事業が成功した理由 失敗から這い上がった… 座右の銘 
将来の夢、志 これから創業に挑戦す… 
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  • 事業概要

 当社は平成24年4月に創業しました。平成25年5月には、太田市に洋服のセレクトショップ「HELLO MARKET」をオープン。平成27年年秋冬シーズンからは、自社ブランド「to touch」をスタートし、全国で30か所ほどの店舗で取り扱いをして頂いております。(平成28年11月現在)

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  • 創業のきっかけ

 東京でアパレル業界に携わる中で、ホームページを担当することになり、IT業界に面白さを感じるようになりました。やがて独立して、都内でIT系の会社を創業しました。「群馬生まれの長男」ということもあり、いつかは群馬に戻ろうと思っていましたが、気が付くと20年近くが経っていました。

 アパレル業界でデザイナーとして活躍する妻との結婚を機に、群馬に戻ることを決意し、IT系の会社を仲間に託して、新たに妻と共に洋服のセレクトショップをオープンしました。この時、個人事業主という選択も考えましたが、自社ブランドによるオリジナル商品の展開を想定していたこともあり、一度目の創業経験などから、法人組織化しておく方が与信等の面で有利になるだろうとの考えから平成24年に法人化、平成25年5月に店をオープンしました。

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  • 事業が成功した理由

自社ブランドを展開するうえで「群馬にショップを持つ」強みを最大限に生かす

 当社がもっとも力を入れているのが、3年目を迎えた自社ブランド「to touch」の卸売り展開です。

 一人でも多くのお客様に「to touch」に触れてもらえるように、積極的に合同展示会などへの出展、メディアに対するプレス活動を行いました。時には、ショップに飛び込み営業も行いました。こうした取り組みによって、今では関西や中国地方を中心に、全国に30店舗ほど「to touch」の取扱店があります。

 また、自社ブランドを展開していく上で何よりも大きな強みと感じているのが、実際に当社ブランドを取り扱う小売店と同じ境遇で、私たちがショップを持っているということです。東京ではなく地元の太田で出店できたことは、ショップの運営・維持にかかる経費面で大変助かっています。

 もちろん、集客面でも大きな力になっています。地域のお客様とは群馬の話題で盛り上がったり、県外から来店されたお客様には群馬や太田の魅力を伝えたりしています。

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  • 失敗から這い上がった経験談、苦労から学んだ経験談

群馬の同業者をちゃんと調べずに名付けたショップ名で間違われる

 セレクトショップの店名を決めるときの話です。登山好きだった私は、「HELLO MOUNTAIN」という登山を趣味とする方向けのサイトを運営していました。このサイトからインスピレーションを得て、群馬でオープンする店名を「HELLO MARKET」と名付けることにしました。

 ところが、長年東京暮らしだった私は、群馬県にフラッグショップがあり、全国的に大きく事業を展開していた同業者様を知らずに名付けてしまったのです。そのため、出店した当初は間違えて来店されるお客様も少なからずいました。こちらが後から似たような店名を付けたために、ご迷惑が掛かっていたら申し訳ないです。大切な店名を名付けるのですから、事前に下調べなどをしておけば良かったですね。

 

「県外の女性」が教えてくれた、セレクトショップを楽しむ「文化的な土壌」とは

 お客様と会話していると、市外の方の割合が多いことに気づきました。

 もちろん、太田市内の方も沢山ご来店頂いておりますが、その割合が低いのはなぜかと考えてみると、太田市という地域性が関係しているのかなと思ったのです。

 太田市を中心とする東毛地域は、大小問わず多くの工場が立ち並ぶ、北関東随一の工業地域です。そこに勤める方々の多くは地元出身者ですが、大企業の工場もあることから県外から家族連れで太田に転勤された方々もいます。

 太田市内の中心街には飲食店が多く、歓楽街を形成していますが、女性が気軽に立ち寄れるセレクトショップは多くありません。どちらかと言えば郊外の幹線道路沿いに大型店が立ち並ぶ、そんな街が形成されています。そのためか、街をブラブラしながらショッピングを楽しむ経験が少なく、大型店やショッピングモールでの買い方に慣れてしまっており、特にアパレル商品においては、セレクトショップで買物をする習慣は根付きにくいのかなと感じます。セレクトショップと身近に接する「文化的な土壌」が育ちにくかったのでしょう。

 このことに気付かせてくれたのが、転勤前の生活経験を通して「文化的な土壌」を持つ「県外の女性」のお客様でした。郊外型で男性的な太田の街だからこそ、女性的にファッションを楽しみながらくつろげる居場所を探して来店されていたのです。

 太田の女性たちにセレクトショップを楽しむ「文化的な土壌」がないのであれば、この店から種をまき、育てていけたらという思いもあります。女性ならではの横のつながりにも助けられ、地元の方には感謝しています。平成29年3月より、店舗名を自社ブランド「to touch」のフラッグショップとして、太田市から発信するという意味合いを込めて「to touch ota style shop」に変更しました。これからも太田市を中心に多くのお客様に自社ブランドの商品と合わせて、店の雰囲気なども楽しんで頂ければ良いですね。

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  • 座右の銘

「普通を疑う」

 私たちの身近にある様々なモノ、考え方、価値観。これに対して、私たちは気にも留めず「普通」と決めつけ、受け流してしまうことがほとんどではないでしょうか。

 しかし、私はそれらが「普通」とステレオタイプに決めつけるのではなく、複数の視点で多元的に注意深く観察します。そうすることで、見え方が変わります。すると、「普通」だったものが、「普通」ではなくなることがあるのです。まさにこれが事業の差別化の大きなヒントになるのです。

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  • 将来の夢、志

太田市を盛り上げる一大産業の復活を目指して「おおたニット」を広めたい!

 かつて太田市は、メリヤス(ニット製品)の町として栄え、最盛期には約200社もの企業が携わっていました。しかし、現在では10社を下回り、大きく衰退しています。

 「to touch」も太田市のニット工場に協力して頂き、製品化をしています。ニット工場での後継者問題などの課題もありますが、今後は「おおたニット」という地域ブランドで、太田の工場と組み、盛り上げていきたいです。

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  • これから創業に挑戦する人へ一言

大切なのは「創業すること」ではなく、「創業したあと」にブレない軸を持つこと

 創業を目指して志を持つこと、準備をすることは大切なことです。ただ、それらがなければ創業してはいけないという考え方は、どこか押しつけがましい印象があり、私は好きではありません。良い意味で、「なんとなく創業してしまった」というのも、私はアリなのではと考えます。「やりたい!」という直感的な意思を尊重すべきです。

 ただ、本当に大切なのは「創業すること」ではなく、「創業したあと」なのです。これだけは誰にも負けない、誰よりも得意だ、絶対に自信があるといった「ブレない軸」を持つことこそ重要だと思います。

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