創業者インタビュー

  • 2017/02/02 UP
  • category:サービス業(他に分類されないもの)
"情熱をもって向き合うことで切り開いた活路を、まっすぐに進むことの大切さ"

株式会社 ダンボワークス 代表取締役

深浦 学

http://danbo.co.jp/company.html

事業紹介 創業のきっかけ 事業が成功した理由 失敗から這い上がった… 座右の銘 
将来の夢、志 これから創業に挑戦す… 
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  • 事業紹介

 当社は、人材派遣、請負、システム開発、福祉の各事業を行っています。中でも、福祉事業では、オーダーメイド車いす、その座位保持装置等の製作・販売を行っています。

 

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  • 創業のきっかけ

 現在の事業を始める前は、個人事業をしていました。その事業を見直したときに、改めて私を取り巻くお客様や従業員、さらにその家族に対して、もっとやるべきことがあるのではないか、信頼に応えなければならないのではないかと思いました。それを実現する形として、当社を創業しました。

 

 

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  • 事業が成功した理由

未経験の福祉事業、真剣に取り組むことで、心に響いた「お客様からのありがとう」

 福祉事業を始める前は、人材派遣や請負の業務に携わる従業員の加齢による体力的な問題に直面し、受け皿となる新規事業を模索していました。また、世間から向けられる「派遣業」に対するイメージの払拭、さらに「ありがとう」と言われる事業展開を考えていました。

 あるきっかけで、車いすづくりを見学しに行った時に、従業員の方々の真摯な姿勢と熱意に心を打たれました。

 見学の翌日、この業者とフランチャイズ契約を結び、福祉事業部を立ち上げました。住み込みで車いすづくりを学ばせた担当者に、適性のあるスタッフ1名を加えた体制で、車いすづくりを始めました。とはいえ、未経験の福祉事業だったこともあり、1年経っても車いすがまったく売れませんでした。売り方を知らなかったのです。

 やがて、インターネットを見た富山在住の60代のお客様から、初めて依頼をいただきました。ところが、当社の車いすは「障がい児」向けでした。「障がい者」向けのものをつくるノウハウ、必要な各種手続きに関する知識や経験がありませんでした。

 お客様の金銭的な負担、さらには事業として考えたときに、お断りすることが現実的な選択肢に思えました。しかし、私は社員に「まずはつくるのだ!」と熱い想いをぶつけました。

 成型や手続きのために、幾度となく富山に通いながら試行錯誤を重ねました。お客様に合った車いすが完成したのは、その製作に携わったスタッフの1名が、3日後に自身の結婚式を控えた夜でした。結婚式を迎えるまでに、絶対に自分で納品するのだという熱意で、彼と私は結婚式の直前にもかかわらず、汗だくのTシャツのまま富山に向かいました。

 当時は車いすを運搬できる車両を持っておらず、車いすを押しながら電車で富山まで運びました。初めての車いすをお客様に届けられたのは、結婚式の前日でした。お客様は、心待ちにした車いすを親戚一同で迎えました。ただ、使い方の説明をしているときには、期待と緊張からか無言でした。もっと喜んでくれるのかなと思っていたのも事実です。

 「実は私、明日に結婚式を控えています。それでも、絶対に今日、車いすを納品したかったのです。この日を迎えられて、本当にうれしいです!」と、彼は車いすに込めた想いを伝えました。

 その後、富山駅まで送ってくださる途中、お客様は彼にスッと一封の封筒を差し出してきました。車いすへの心からの感謝に、「ご結婚おめでとうございます」の一言を添えて…。

 予期せぬお客様からの心のこもった「ありがとう」に感涙しながら、「こういう事業がしたかったのだ!していきたいのだ!」と、福祉事業を軌道に乗せる原動力になったのです。

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  • 失敗から這い上がった経験談、苦労から学んだ経験談

心無い一言から起こったトラブルで気付いた「従業員を大切にすること」

 それは、私が従業員に発した心無い一言から起こりました。ひどく傷ついた従業員たちは、派遣先の工場でひとつのラインを丸ごとボイコットしてしまったのです。工場内はもちろん、その先のお客様の仕事までストップさせる大トラブルでした。

 「どうするんだ?」、工場のナンバー2の立場にある方からの追及に、「自分がやります!やりきれないけど、やります!」と答えました。「じゃあ、俺もやるぞ」と言うその方と夜通しで、本来3人体制で行う業務を2人でやり遂げました。翌日になり、私は従業員のところに出向き、直接謝罪しました。

 私は新規業務の受注時には必ず数日間、実際にその作業に加わることをポリシーとしていたことから、従業員たちの苦労を理解していたつもりになっていました。しかし、「仕事の大変さ、分かってないですよ!」と私が謝罪した従業員たちは口をそろえて指摘しました。

 この日から私は社長業と並行して、従業員たちに「3ヶ月間、毎日3時間以上夜勤に出ること」を約束しました。この経験によって、「従業員の苦労」を本当の意味で理解できました。

 この出来事で、初めは約束に半信半疑だった従業員たちからの信頼を取り戻しました。彼らは今では当社の事業の中核を担う人材として活躍しています。

 

 

「トラブルへの対応」が教えてくれた、厳しくも温かいお客様との信頼関係

 従業員を派遣していたその工場には、その先のお客様から、このトラブルの影響で発生した損害について、少なくない額の請求がありました。

 「この請求はどうするんだ?この件とこれから頑張る話は、違う話だよな?」と、トラブル対応を手伝っていただいた方から詰問されました。「現状の売上では、1年かかります…」としか答えることのできない私に、「1週間だけやるから、今後の展望を持ってこい!」と言うのです。

 その時、私にはこの意味がまったく分からなかったのです。ただ必死に、徹夜で今後の展望をまとめた書類を作成し、翌日にすぐお客様に提出しました。

 「1週間お時間をいただきましたが、1週間後も今日も考えは変わらないので、今日持ってきました」と、その方に展望をお渡ししたら、チラッとそれに目を通しただけで「この請求、なしでいいぞ」と仰ったのです。

 その理由を伺う私に、「今日持ってきたからだよ。1週間与えたからといって、これに1週間かけるようでは、パートナーとして信頼できない。ただ、10年後も続けたいというのであれば、新しい仕事をやるから、損害は全部それで返してくれ!」と温かい言葉をかけていただきました。

 今の私をつくったのは、この方との厳しくも温かいつながりです。常に、「付加価値は?展望は?自分の従業員のことを考えているのか?自分が理解できなければ、従業員は理解できないのだぞ!」と私に厳しく問いかけ、事業に対する考え方を深めようとする私を温かく見守ってくださいます。私にとっては、一番厳しくも、心から感謝しているお客様です。

 

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  • 座右の銘

「敢為邁往」

 経営者としての決断は、従業員とその家族を含めて多くの生活を左右します。それを守っていくためには、苦悩しながらも決断して、一意専心でやり遂げることが大切です。悔いなき決断にしていこうと、日々努力を積み重ねています。

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  • 将来の夢、志

従業員の幸せな生活を維持し続けるための「障がい児福祉」で社会貢献を

 将来を考えるうえで大切にしていることは、従業員がどのような会社であれば働き続けたいのかということです。それには、「障がい児福祉」を通して、社会貢献していける会社でありたいと考えます。日の当たりにくい障がい者の生活は、どうしてもお金に結びつきにくいものですが、その生活を支える方法を発見していきたいという想いを持っています。

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  • これから創業に挑戦する人へ一言

失敗を恐れずに、繰り返すことで創り上げる「土台」を盤石にする心意気を

 成功のビジョンだけをもって、創業することができるのであれば、それが最善なのかもしれません。大切なことは、失敗を恐れないことです。また、失敗を恐れずに行動できる「土台」を、自分の内外に創り上げることです。

 「土台」とは経験であり、知識であり、人間関係です。創業する前も、創業してからも、失敗を繰り返すことによってのみ、その「土台」は盤石なものになっていくことでしょう。創業者に求められるのは、その心意気なのです。

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