創業者インタビュー

  • 2015/03/20 UP
  • category:卸売業、小売業
"桐生の伝統技術×素人の新しい価値観 = 世界のスタンダードに"

PRIRET【プライレット】(桐生市)

上久保 匡人

http://www.priret.com/

https://www.facebook.com/pages/Priret-%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88-/306068479457698?fref=ts

事業概要 創業のきっかけ 事業が成功した理由 苦労から学んだ経験談 座右の銘 
将来の夢、志 これから創業に挑戦す… 
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  • 事業概要

 PRIRET(プライレット)とは、Private(プライベート)とSecret(シークレット)を組み合わせた造語です。「自分たちが欲しいものを密かに作る」といった意味合いを込めて名付けました。

 天然繊維の上質な肌ざわりと高い機能性を活かし、登山やハイキング、キャンプなどで使用出来るアウトドア専用の「山ストール」を作る、アウトドアストールブランドです。

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  • 創業のきっかけ

山グッズ収集から山登りへの興味に

 中学生の頃に、友人と渡良瀬川沿いでキャンプをしたときに、「アウトドアって面白いな」と思い始めました。大学生の時には、山のグッズが好きになり、靴とかバッグとかウェアとか、あらゆる山のグッズを集めました。

 もちろん、街で使うよりも山で使いたいと思い、山に入る機会も増え、次第に山登りにのめり込んでいきました。

 

桐生の技術でアウトドアグッズを

 大学を卒業後、ワーキングホリデーでカナダに滞在した経験があります。カナダから帰国してから、幼馴染の友人と共にアウトドアに関連した商品を、地元桐生の織物の技術を使って何かできないかと可能性を探りました。そして、機屋さんと相談する中で、桐生織の技術を応用することでストールが出来るということが分かり、「山ストール」を作りました。

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  • 事業が成功した理由

「山ストール」という新しい価値観で

 「山ストール」、これがお客様の心に響いてくれたことです。桐生織の技術のひとつ、「風通織」を応用して実現したこのストールは、二重織りになっていることで、通気性に優れ、吸い取った汗の乾きが速いです。また、首に巻いた時に空気の層が出来るので、保温の面でも従来の商品に対してとても優れています。重ねた生地と生地の間に縫い目がないため、着け心地もすっきりします。

 また、素材はすべて天然素材(シルクとコットンがメイン)なので、肌触りはもちろんのこと、シルクの機能として「通気性」、「速乾性」、「保温性」があるほか、さらに、アウトドアでは気になる紫外線の吸収機能や、雑菌の繁殖を抑え、においを抑える抑菌作用もあります。

 地元に根付いた伝統の織り方を応用し、さらにアウトドアにとても適しています。アウトドア雑誌にも取り上げていただく機会が増えてきました。

 

男性の山登りに新たなファッションを

 「山ストール」を開発する前に、私が山登りで使っていたのはタオルがメインでした。タオルは確かに安いですが、乾きにくかったり、ボリュームもそれなりにあるので、バッグに入れるには場所を取ったりします。それに、デザインが魅力的なものがあまりありませんでした。

 それまで私の中のストールのイメージというと、女性がファッションとして身に付けているとオシャレだけど、男性がするとちょっとかっこつけている感じがして、どちらかといえば苦手なものでした。

 しかし、「山ストール」は、タオル感覚で山登りに使うものなので、かっこつけずに、でもオシャレに使えると思っています。ある意味ではガテン系のような感覚で、男性にこそいっぱい使ってほしいです。

 

珍しい「アウトドアストール」専門ブランド

 山登り用ウェアのメーカーでは、帽子などの小物類をはじめ、様々な山グッズを販売しています。ですが、見渡してみると、帽子などのラインナップこそありますが、首まわりの商品はあまりありません。そして、首回りの商品を専門に扱っているアウトドアメーカーは、プライレットだけです。業者さんや小売店さんなどに営業に行くと、「首まわり専門のアウトドアメーカー」と謳っているので珍しがられたり、面白がられたりします。たまに冗談っぽく「首まわりだけで大丈夫かい?」などと言われることもありますが、それだけ強いインパクトと新鮮な印象を持って頂いていると思います。

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  • 苦労から学んだ経験談

ド素人のアイデア×桐生の技術=山ストール

 織物の知識がない「ド素人」の突拍子もないアイデアに対して、機屋さんからは、数ある伝統的な技術の中から「風通織」の技術を教えていただきました。肌触り、通気性、速乾性、保温性、抑菌作用、紫外線の吸収機能、どれをとっても「山ストール」にこんなにも適しているとは…、私には本当に思いもよらぬ発見でした。かなり無理を言いましたが、素人ならではの限界を考えないアイデアの上に、経験豊かな職人さんによる工夫と試行錯誤を重ね、これまで技術的に壁だと考えられていたことを確かな技術力で乗り越えていただき、この画期的な「山ストール」を作ることが出来ました。

 

営業観の転換でギャップを埋めろ!

 商品の第一印象と実際の値段との間にあるギャップは、ずっと私にとって解決すべき課題でした。山ストールは、タオルと比較すると値段が数倍高いので、直接お客様に商品のよさを説明出来るイベントなどでは、「シルクを使い、特殊な織り方を用いて、メイドインジャパンで作っている」という魅力をお伝えすると、買って頂けます。しかし、小売店さんなどで、その魅力を知らないで値段だけ見られてしまうと、選んで頂けないことがあります。それでも、しばらくの間は、一緒にプライレットを立ち上げた幼馴染が、営業として上手くやっていてくれたこともあって、そのギャップが埋まっていました。

 しかし、ある時、その幼馴染が家業のために離職し、営業の苦手な私が営業することになりました。私自身、営業先への電話などは本当に苦手なのですが、販売会などでお客様と対面で説明することは得意だったこともあり、思い切って考え方そのものを転換することにしました。

 私のこだわりや想いを、自分が得意とする方法で伝えるため、ストールの製作過程を動画に撮って、ホームページで公開しました。(http://www.priret.com/index.htm)これが功を奏し、お客様からも大変多くの反響を頂き、ネットショップの売上を伸ばすことが出来ました。

 従来の営業方法に対する価値観を転換し、得意な分野を活かしたことによって、楽しみながら業績に結びつけることが出来ていると思います。

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  • 座右の銘

「自分以外師匠」

 人にはそれぞれ、私自身にない良さを持っています。私にとって、それらはすべて尊敬出来るものだと思っています。いろいろな方との出会いを通じて、相手の良さを見つけ、尊敬し、それを学ぼうとする姿勢を、常に心がけることが大切だと思います。

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  • 将来の夢、志

世界のハイカーのスタンダードに

 世界中のハイカーが、プライレットの「山ストール」を巻いて、山登りやハイキングをしてくれたらいいなと思います。

 品質に定評があるメイドインジャパンであり、なにより織都桐生の技術の粋をつくしたこの「山ストール」は、世界にも通じる商品だと思っています。まずは、ヨーロッパ方面に進出したいと考えています。スイスなどは身近に山があり、山登りやハイキングが盛んな地域です。今は、そこで「山ストール」に対する印象や商品としての可能性を探っている段階です。協力してくれる方々との出会いが、私の夢を後押ししてくださり、とても心強く感じています。

 いずれ、世界中のハイカーに、プライレットの「山ストール」を使っていただくことが、私の夢です。

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  • これから創業に挑戦する人へ一言

 楽しそうだと思えることがあるのであれば、まずはやってみることです。人の性格にもよるかもしれませんが、私は楽しいことしかやりたくありませんし、楽しいことを楽しくやっているだけです。

 

 私は、「努力」をしません。あくまで私の勝手なイメージですが、「努力」には「我慢」があり、負の部分があるような気がして、どうも好きにはなれません。楽しいと思えることを楽しく突き詰めてやっていけば、何も「我慢」することはありません。思いきり楽しむ私の姿を、他の方々が「努力」と評価してくれることもあります。ありがたいことではありますが、私の中では「努力」は全くしていない、「努力」なんてしたくないのです。もちろん、人それぞれ「努力」のイメージがあるでしょうから、とにかく楽しいと思えることを突き詰めて楽しんでほしいと思います。それがワクワクすることであれば、私は必ず成功すると思っています。

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