創業者インタビュー

  • 2016/06/21 UP
  • category:サービス業(他に分類されないもの)
"障がい者が、当たり前に「創業」を選択できる社会の実現を目指して"

サンダーバード株式会社 代表取締役

山根 洋平

http://www.thunderbird.co.jp/

事業紹介 創業のきっかけ 事業が成功した理由 失敗から這い上がった… 座右の銘 
将来の夢、志 これから創業に挑戦す… 
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  • 事業紹介

 サンダーバード株式会社では、シニアや障がい者・障がい児、子どもたちに最新のIT技術を活用していただけるように、センシング技術を活用した製品開発、プログラミング教室、スマートフォンセミナーを展開しています。

 また、最近とくに注目を集めている“ドローン事業”にも力を入れています。

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  • 創業のきっかけ

 システムエンジニアとして勤めていた会社で、新規企画を任されることになりました。そこで、群馬に特化したバリアフリーWebサービスを立案しました。

 2014年、FAAVO(ファーボ)群馬で1例目として、クラウドファンディングによる資金調達に成功し、システムエンジニアと新プロジェクトリーダーの2足の草鞋を履きながら進めてきました。

 やがて、そのプロジェクトに特化した事業を自らの力で推し進めたいと考えるようになり、2015年6月に起業しました。

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  • 事業が成功した理由

ITは「人に寄り添うべきもの」、そのために「想いを聴きづける」ことの大切さ

 ITやデジタルに対して、温かみがなく無機質だという先入観を持っている方は意外に多いことでしょう。しかし、ITこそ人のそばにあるべきだと、私は考えています。

 なかでも、生活の中に多くの不便さを抱えている障がい者や障がい児こそ、ITがその生活に寄り添い、豊かにすることができるのではないかと考えました。

 それを実現するためには、腰を据えて「話を聴く」ことを大切にしました。障がいのある方の多くは、内向的で自分のことを積極的に話そうとはしません。その方々に対して、こちらから「素晴らしいサービスを始めたから、使ってください」と押し付けても、それは自己満足にすぎず、受け入れてもらえるものにはなりません。

 当たり前のことではありますが、障がいの有無にとらわれず、「ひとりの人間」として向き合うことを意識しました。その結果、何が欲しいのか、教えてほしいという話に耳を傾けてもらえるようになり、さらに障がいのある方が誰にも話せなかった「本音の欲求」を引き出すことができました。

 人に寄り添うことができるIT技術を生み出すひらめきは、「空から降ってくるもの」ではありません。私は、「人と人との対話」にこそ生まれ、育まれるものだと考えます。それによって、「本音の欲求」に寄り添ったサービスを生み出すことができました。障がいのある方が、私が生み出したIT技術を笑顔で活用して、楽しく生活を送っている後姿を見て、「こういう事業がやりたかった!」とやりがいを感じています。

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  • 失敗から這い上がった経験談、苦労から学んだ経験談

独りで始めたプロジェクトの心細さ、明確なビジョンが「つながり」を集める

 プロジェクトを立ち上げた当初、メンバーは私一人であり、当然足りないことだらけでした。10年以上、システムエンジニアとして培ってきた経験はありましたが、たった一人の技術力には限界があります。もちろん、資金面でも不安が多くありました。

 「助けてくれる仲間をつくるためにはどうしたらいいだろうか…」、足りない資金や技術力をカバーするために、まずは私自身がこの事業に対して明確なビジョンを持つことが大切だと考えました。

 こだわった私のビジョンを、助けてくれる仲間に伝え、共有してもらうために、数えきれないほどの資料を作成し、校正を重ねました。さらに、それを発表させていただける場があれば、熱い想いで何度も発表してきました。

 やがて、私のビジョンを共有してくれる仲間が少しずつ増え、プロジェクトに関わる人が増え、それが、孤独で不安もあったプロジェクトへのモチベーションを高めました。多くの仲間からの協力をいただきながら、プロジェクトも好転してきました。

 

「知らなかった…」障がい者に寄り添って気付いた“苦労”とその“考え方”

 プロジェクトを始めるにあたり、群馬県立聾学校をはじめ、いくつかのホームページや資料を調べていた時のことです。そこで紹介されていた内容に、「なんて苦労しているのだろう…」と言葉を失いました。同時に、それを知らずに生きてきたことに、ショックを受けたのです。

 ただ、今まであまり関わらないようにしてきたこれらの苦労に触れたことで、私がIT技術でサポートすることによって解決できるのでは…、という視点を持つことができました。今では誰もが当たり前のように持っているスマートフォンを活用することによって、たとえ障がい者でも「できないことはない」と考えました。

 さっそく、障がい者と向き合ってみることにしました。私に「やってみたいこと」をたくさんお話してくれることを期待していました。しかし、実際には「やってみたいこと」を話してくれることはありません。ぽつぽつと出てくる言葉は、「できないこと」だけだったのです。

 実際に障がい者と向き合うことによって、“苦労”とその“考え方”を知ることができました。私はとにかく、話を聴くことを続けました。聴くことを続けるうちに、少しずつ話してくださる方の意識が変わり、「できないこと」から「やってみたいこと」を話してくれるようになりました。

 これはビジネスの場面でも、すべての人に接するうえで、私の「基本的な姿勢」となりました。大切なことを教えてくれたのは、他ならない障がい者の“苦労”と“考え方”だったのです。

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  • 座右の銘

「明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ。」

 

 人生の師、マハトマ・ガンジーの言葉です。IT業界特有の「技術革新の速さ」は、日々研鑽を重ねることの大切さを教えてくれます。

 私は、祖父母から、人の命は有限であることを学びました。目まぐるしく変化する現在、明日も生きている保証はないといっても過言ではありません。このような毎日の中で、「今日、これをやる必要があるのか?」という問いに対して、私は一日一日をしっかりと意識することが大切だと考えます。

 やらずに後悔するのであれば、やって後悔したい、恐れずにチャレンジする姿勢を大切にしています。

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  • 将来の夢、志

障がい者こそ“起業家”向き!誰でも起業に挑戦できる社会を目指して

 

 最先端のITテクノロジーの活用は、できないことをできるようにしてくれるはずです。それを信念とする私の活動のなかには、“起業”というワードも当然含まれています。

 私たちの人生には、障がいの有無にかかわらず、等しく多様な進路があります。一方で、“就職”に限っていえば、まさに障がいというハードルによって、等しいはずの進路が極めて狭められてしまいます。また、非正規雇用では、“契約期間”が自立した人生を奪ってしまうことさえ考えられるのです。

 そうであるならば、障がい者こそ自立して幸せな人生を送るために、いっそ“起業”してはどうでしょうか。

 障がい者が起業するためには、多くの課題が出てくることでしょう。しかし、起業するために解決しなければならない課題があるのは、とりわけ障がいの有無に限った話ではありません。

 そこで私どもの最先端のテクノロジーが、障がい者の起業に寄り添い、お手伝いすることによって、障がい者にも“起業”という選択肢が、当たり前になってほしいのです。

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  • これから創業に挑戦する人へ一言

「信念は曲げずに、思考は柔軟に」

 自分を信じて信念を曲げないこと、それが目の前にある多くの困難に対して、やりたいことをやり抜くためには重要です。

 苦しいときこそ、いつでも思い出せるようにしたいのは、「起業してまでやりたかったことは何だったか」という最初の気持ちです。

 そうはいうものの、他者の価値観は柔軟に受け入れたいものです。「自分以外はすべて師である」という言葉にもあるとおり、“意見してくれる人”を大切にすべきです。

 創業後、信念を持ったそのビジョンを実現するためには、「多くの人とかかわること」が鍵になることでしょう。

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