創業者インタビュー

  • 2016/08/15 UP
  • category:製造業
"リスクから気付いた「本当のものづくり力」の大切さを"

株式会社工裕精工 代表取締役

工藤 裕幸

http://www.koyu-seiko.com/

事業紹介 創業のきっかけ 事業が成功した理由 失敗から這い上がった… 座右の銘 
将来の夢、志 これから創業に挑戦す… 
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  • 事業紹介

 平成6年に自動車部品加工業として創業しました。精密機械製品製造、航空機部品加工、医療体育機器部品製造へと業容転換していく中で、とくに航空機部品加工に力を入れており、JISQ9100認証取得に向けて活動を展開しています。得意分野は、インコネル等の難削材切削加工です。

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  • 創業のきっかけ

 現在と同業種の会社に勤務していた頃から、家族には独立志望であることを伝えていました。ちょうど、同業他社である義父の会社で、自動車部品の下請けの話をもらいました。義父の会社の工場を見学したり、創業に必要な設備を借りたりと、義父のバックアップが大きな後押しになり、創業しました。

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  • 事業が成功した理由

創業当初から良いお客様に恵まれ、会社の基盤を構築

 立ち上げ当初から、良いお客様に恵まれたことが大きいです。創業時から、義父の会社からお仕事をいただき、現在でも支援や要望をいただく中で、会社の基礎ができあがったと感じます。

 創業してから自動車部品一本でやってきましたが、精密部品の製造に挑戦したり、航空機部品の製造に挑戦したりと、時代の流れに合わせて業容拡大できたことも事業を継続できている大きな理由になります。

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  • 失敗から這い上がった経験談、苦労から学んだ経験談

特化した事業がリスクに…、「脱自動車」を掲げて業容転換へ

 平成18年に第二工場の操業を開始しましたが、その折にニッサンショックがありました。その影響から受注がストップしたため、第二工場が開店休業状態になりました。この時に、自動車部品という1つのジャンルに特化していることが、リスクにもなり得ることを経験しました。

 また、東南アジアやBRICs諸国の台頭により、自動車部品の価格競争がグローバル化していきました。従来の積み上げ式の見積もりでは、その仕事を受けることができない状況は、当社だけでなく、同業他社も同様の困難に陥っていました。

 グローバルな価格競争の激化に真っ向勝負するのは、小さい会社では限界を感じたこともあり、10年ほど前に「脱自動車」の旗を振り始めて、精密部品や航空機部品などの業容拡大に乗り出しました。今では、自動車一本だった加工額は、航空機が半分ほどを占めるようになりました。それに従って、自動車の加工額は減ってきており、なんとかうまく時代の潮流に乗り、業容拡大を図ることができました。

 

本当のものづくりは、「零細企業の集合体」が意思をもつことから

 自動車一本でやってきたことにより、工場の中もシステムのライン化が進みました。スタッフは「システムの一部」として動くため、機械に材料を投入したり、出来上がった製品を検査したり、あえて極端に言えば「ボタンを押す」だけしかできない状態でした。事業を特化していたことのリスクが顕在化するに伴って、人材の面で「本当のものづくりができる人材」が育っていないことに気付くことができました。

 ものづくりをやっている会社で、これではいけないと思い、改善策として社内のグループを細分化することにしました。小さな零細企業が集まったようなイメージです。それぞれのグループに小さな社長さんをおいて、それぞれの意思でそれぞれの小さな零細企業が動いていけるような会社づくりを目指しました。

 各グループが意思を持って活動し始めたことにより、積極的に業容転換できたことはもちろん、「ボタンを押す」だけしかできなかったスタッフが、「本当のものづくりができる人財」へと成長することができたと感じます。今では、私もかなわないと思うアイデアを出せるようになったことをうれしく思っています。

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  • 座右の銘

「明日ありと 思う心の仇桜 (夜半に嵐の 吹かぬものかは)」

 少年時代の親鸞聖人が詠んだといわれる歌です。たとえ今日やらなくても、明日があるとは言いますが、明日がどうなるかはわからないものです。だからこそ、「今やらなくてどうするんだ!」という意味で、私はいつもこの言葉を心の中心において行動するように心がけています。

 

「NOと云わない経営」

 お客様からいただくご要望の中には、正直「これはキツい…」と思うことが少なくありません。しかし、ここで「ムリです」と言ってしまったら、そこで終わってしまいます。「正式にお断りするのは、いつでもできる」が私の口癖でもありますが、最初からできないと否定して諦めてしまうのではなく、まずは可能性を探してみようということが大切です。

 お客様からご要望をいただくということは、それだけお客様も困っているということです。もちろんそれは、他社でもイヤだと断られるような難しい要望でもあります。とはいえ、まずはそれに挑戦して、できない理由を探っていく中で、意外と分析できていなかったことが分析できて、逆にできる可能性が広がることがあります。

 そのような取り組みを、お客様も評価してくださり、たとえできなかったとしても意外に喜んでいただけます。

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  • 将来の夢、志

ビジョンは簡潔に、「売上高10億円、スタッフ100名、利益率10%」

 平成24年から平成26年の間は、赤字が続いていました。その頃、今後に不安を感じるスタッフも少なくなく、残念ながら人離れが続いた時期がありました。今振り返ると、私のビジョンがちゃんとスタッフに伝わっていなかったからだと感じます。

 そこで、一度耳にしたら忘れない、簡潔でわかりやすいビジョンをスタッフに伝えることにしました。黒字転換してからちょうど10年後である平成36年までに、「10億円、100名、10%」というわかりやすいビジョンを掲げました。

 

群馬から先進的なものづくりを、JISQ9100認証取得に向けて

 平成36年までに「10億円、100名、10%」というビジョンを達成すべく、今年はJISQ9100認証取得に向けて活動しています。これは、中小企業にはハードルが高いといわれていますが、第一次審査を通過し、最終審査に向けて「今年は取るぞ!」と決意を新たにしています。

 群馬の工業といえば、東毛が強いイメージがありますが、西毛にも全国区で活躍している有名な会社がたくさんあります。当社も、この認証を取得することで、「航空機といえば高崎の工裕精工」と地域の方々に認識していただけることを目標に、10年後のビジョンを達成するためのステップとして、今年はJISQ9100認証取得に向けて取り組んでいます。

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  • これから創業に挑戦する人に一言

共に地元の発展に尽力し、共に地元の美酒を頂きましょう!

 私自身、何のために働いているかといいますと、単純に「今日、うんめぇ酒が飲みてぇ!」から、一生懸命働いています(笑)。たとえば、収穫祭というものがありますが、丹精込めてつくったものを飲んで食べてという喜びに勝るものがないと考えています。

 だからこそ、群馬で創業される方には、「一緒にうんめぇ酒を飲むために、ここは苦しいけれど、いっちょがんばるべや!」と言いたいです。

 

「かっこいいお父さん・お母さん」になってほしい

 私どもの会社の財産は、やはりものづくりができるスタッフです。私は人財を大切にしたいと考えています。スタッフには、自分の仕事を子どもに誇れる「かっこいいお父さん・お母さん」になってほしいと思っています。

 当社のような中小企業でも、勤めるスタッフはそんなに贅沢しなければ、家を建てて、家族をもって、夫婦それぞれが車に乗れる生活ができます。スタッフに豊かな生活を送ってもらえることは、会社を発展させることにつながります。

 私自身もそうですが、これから創業に挑戦される方にも、ぜひ自分の仕事を誇れる「かっこいいお父さん・お母さん」になってほしいです。

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