創業者インタビュー

  • 2015/01/30 UP
  • category:医療、福祉

認定NPO法人 ハートフル(高崎市)

櫻井 宏子

企業概要 事業が成功した理由 失敗から這い上がった… 座右の銘 将来の夢・志 
これから創業に挑戦す… 
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  • 企業概要

認定NPO法人ハートフルは、介護保険事業、障がい福祉サービス事業、地域活動事業を3本の柱として、高崎市で活動しています。

 

介護保険事業は、介護保険法の法定サービスとして、障がい福祉サービス事業は障害者総合福祉法の法定サービスとして展開しております。また、地域活動事業は、「たすけあい」活動と配食が中心となります。あわせて、地域の方々との交流事業として「よっといで市」、あるいは「居場所」といった活動もしています。

■インタビューの模様はこちらの動画からもご覧いただけます

 

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  • 事業が成功した理由

人と地域に助けられた

とにかく資金はなかったのですが、人に本当にタイミングよく助けていただいたり、力を貸していただいたりしました。利用者のニーズに応えたいと思っていると、偶然そういうことが得意な人が来てくれたり、仲間でそういう資質を持っている人がいたりしたなど、人、地域に助けられたことが一番の理由だと思います。

 

また、立ちあげた当初から、人材育成と環境づくりに全力投球しようと決意して、待遇や職場環境など満足いくものにしよう、楽しいことがいっぱいある環境を目指そうと努めてきました。そして、今でもその点を大事にしております。これも、成功した大きな要因だと思います。具体的なエピソードとしては、数年前まで、年末にスタッフ同士で「ありがとう」とか「がんばってるね」というようなポジティブなメッセージを贈り合っていて、ある時から忙しくてやめていたのですが、スタッフからもう一度やってほしいという声があがり、復活させました。スタッフみんなが、私の思う環境づくりに共感してくれていたんですね。現在では葉っぱの形をしたカードに袋を作り、年末に限らず、いつでも感動や励まし、感謝をしたためて贈り合っています。おかげで、今では、NPO法人としては比較的多くのスタッフを抱える規模になりました。

 

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  • 失敗から這い上がった経験談、苦労から学んだ経験談

事業所運営の苦労

私自身、独立前は非常勤の現場職員(ヘルパー)として仕事をしていたので、管理する経験はありませんでした。ケアマネージャーの資格も取ったばかり、介護保険もスタートしたばかりで、事業のマネジメントや介護保険のことなどを学ばなくてはいけない段階で事業を始めたため、思うようにいかないこともあって悩みました。しかし、スタッフに助けられ、ここまでやってくることができました。

 

お金も建物も無い苦労

また、事業を始めようにもお金だけで無く、建物もありませんでしたが、これも御縁により、納屋を借りることができ、さらに、また別の人の協力により、全く使えなかった状態から改修までしていただきました。

 

ハートフルは、介護保険が始まることを見越して事業を開始したわけではありません。介護保険が始まることは、事業を開始した翌年の春に知りました。知ったときにはすでに居宅介護サービスに近い形で、「たすけあい」をしていました。私も独立前にケアマネージャーの資格を取得し、スタッフにも有資格者が何名かいましたので、介護保険を収入源として併行運営する方が、「たすけあい」の活動がもっと充実すると思いました。実際に「たすけあい」でやっていたことのうち、介護保険が適用できることに関しては、介護保険を使うことにしました。これにより、ある程度は、安定的な運営が可能になりました。

 

しかし、それでも、立ち上げ当初から、スタッフのお給料をきちんと払うことはなかなか出来ませんでした。介護保険事業では、制度上、2か月後に介護報酬が入ってきますが、その2か月の間が本当に困りました。銀行に相談に行っても、実際は事業を軌道に乗せているわけではありませんので、やはり借りられませんでした。やむを得ずスタッフには待ってもらうしかなく、遅配が続きました。それでも2か月後払いが1か月になり、ようやくきちんと払えるようになったのが、事業開始から3年半過ぎでした。

 

また、当時の法律では、法定サービス(介護保険事業)と法定外サービス(「たすけあい」)は、別の建物で運営するよう指導を受けました。法律としては当然なのですが、当法人の財務状況からすると、高い経費を払い、新しく建物を借りることは難しいので、どうしようかと悩みました。ですが、これも縁あって、近くにあった借家を、すぐに格安で借りることができ、さらには、駐車場を地域の方が貸してくださるなど、本当に助かりました。

 

車も無い苦労

立ち上げ当初は、介護で使用する車もなかったので、助成していただける団体にその申請を出しました。とはいえ、申請を出しても自己負担額があるわけです。でも当時は、その自己負担額さえありませんでした。申請が通って、車をいただけることになりましたが、自己負担額のお金をどうしようかと大変困っていたところ、すぐ近くの野球場で開催される硬式野球があり、その入場料を寄付してくださるというお話をいただきました。これはありがたいということでお受けしたのです。翌日、介護福祉とはあまり接点の無さそうな方がみえまして、のし袋に分厚く寄付金を持ってきていただきました。本当にありがたく頂戴いたしまして、たとえ入場料の細かいお金(大変失礼ながら、千円札かと思っていました)でも本当にうれしいと思って、お帰りになった後に開けましたら、なんと全部一万円札だったんですね。びっくりしました。

本当に助かりまして、おかげさまで自己負担分の穴埋めができ、介護で使用する車を調達することができました。

他にも、ゴルフコンペでカンパ金を集めてくださりそれを寄付してくださる方や、十数年うるち米ともち米を年間200kg弱も寄付し続けてくださっている方もいます。

 

やはりそういった支えがあったから今があるといつも感謝しています。

人を介して、地域の皆さんに応援していただいているという感謝の気持ちは、絶えず持っています。

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  • 座右の銘

 

「恕(じょ)」です。ゆるす、という意味の言葉です。

 

 

ハートフルを運営していく中でたどり着き、これから先の人生の座右の銘です。心から相手を思いやる気持ちが深まって、最後はどんなことがあっても相手を許すことです。

いろいろな形で人が入り、いろいろな事情で人が去っていきます。中には残念な事情もあれば、新たな事業を立ち上げる人もいます。

どんなことがあっても、その人の幸せを思って送り出してあげよう、輝いた姿を思い描きながら後押ししたいと思っています。

 

 

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  • 将来の夢・志

ハートフルの理念は、「高齢、障がい、大人、子どもの隔たりなく 皆が自然な形で足りない部分を助けあえる そんな社会づくりをめざして」です。これが私の夢、志、想いのすべてです。

みんなが楽しくその人の生き方、生きがいを生み出している、輝いた姿の中で助け合う、支え合う、あったかい雰囲気の地域を目指します。つまり、「地域がそのまま家族」になれるよう、この理念をいつでも心に留めながら、地域を支える役目としてこれからもがんばります。

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  • これから創業に挑戦する人へ一言

「あきらめないで。」この一言です。

 

常に、社会の皆さんと力を合わせて明るく過ごす役割を思い描き、絶対に自分の夢を実現するという思いを深め、知恵を出し、工夫を続けていれば、絶対にチャンスが来ます。

ひとりでは実現できない夢も、皆さんの協力があって実現します。同時に、それは社会への恩返しにもなります。

どんな逆境でも、必ず花開く時があります。実現への強い思いがあれば、必ずやあなたの夢は叶います。

 

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